女性に人気の室蘭夜景見学バス…製鉄所の蒸気、焼き鳥屋のけむり

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国道36号から新日鐵住金のけむりを見る
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北海道有数の工業都市、室蘭。 明治期から石炭積出港として栄え、鉄の街へと発展してきたこの天然良港に、夜景見学バス(2時間半、1000円)が走っている。11月でことしの運行を終え、利用状況が見えてきた。

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「乗車率は7割といったところ」と教えてくれたのは、 室蘭観光協会の担当者。「4月から11月までの土休日を中心に運行してきたが、ピークは9月。ハイシーズンが過ぎたあと、涼しくなったころに室蘭を選んで訪れる人が多い」という。

「男女比は6対4で女性が6割。市内近郊からの客が3割、札幌エリアからが3割、そのほかの道内や本土から3割という割合。工場萌えというより、基本的に女性のほうが夜景を好む傾向」

同バスは、 道南バスが運行を担当。JR東室蘭駅東口から旧室蘭駅舎、道の駅みたら室蘭、祝津公園展望台、陣屋除雪ステーション、崎守ビュースポットなどを経て再び東室蘭駅へと戻るコースを行く。途中、東日本最大の吊り橋である白鳥大橋(全長1380m)も通り、 「カップルで白鳥大橋を渡ると結ばれる」という噂を聞きつけた男女たちなどでにぎわっている。

室蘭市は、川崎市、四日市市、周南市、北九州市と並び、 日本五大工場夜景に数えられる。いまはきらきらとひかる室蘭だが、ここも戦争と復興という暗い時代を経てきた街だ。

夕張鉄道が全通した1890年代初頭、岩見沢と室蘭(輪西)の間に鉄道が敷かれ、工業の街へと歩み出す。現在の新日鐵住金付近に室蘭停車場ができ、石炭列車や旅客列車が行き交うようになった。

明治期に特別輸出港に指定された「太平洋の玄関口」室蘭港は、外国向け石炭輸出港として発展しながら戦争へと突入していく。

1945(昭和20)年、米軍の空襲と艦砲射撃を受けた室蘭は、終戦をむかえ、軍需工場閉鎖や港内封鎖に追い込まれたが、市などは、この天然良港を平和産業にいち早く転換。重工業地帯として復興させ、富士セメント(現日鉄住金セメント)、日本石油精製(現JX日鉱日石エネルギー)などを誘致し、現在に至っている。

「だいぶ寂しくなっちゃった」と地元の人たちはもらすが、鉄の街、造船の町としてにぎわった時代の面影を残す駅前の商店街には、いまも赤提灯がともる。そののれんをくぐると、出張で訪れたビジネスマンたちが、名物「やきとり」をつまむ姿があった。

「来年も運行するかどうか、いま検討しているところ」と話す担当者は、「このバスだけが入れる陣屋除雪ステーションなどは、普段は入れない除雪車待避場所とあって人気。今後も、いろいろなイベントや企画といっしょに、運行へ向けて取り組んでいきたい」とも話していた。

《レスポンス編集部》

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