富士通研究所、シンガポールで混雑緩和に向けた実証実験

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行動誘導モデル
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富士通研究所は、シンガポールのイベント施設、スポーツ施設、商業施設で人・交通の混雑を緩和する実証実験を11月から開始した。

実証実験では、イベントなどに参加した後、帰宅まで混雑が予想される状況で、自分にあった最適な行動や過ごし方を、スマートフォンのアプリケーションを通じて提案し、その効果を検証する。行動の提案は富士通のAI技術「Human Centric AI Zinrai」を活用して生成し、提案内容を適切に調整することによって、混雑時間帯のシフトや、交通手段の分散などによる混雑緩和の実現を目指す。

一般的に、混雑は特定の交通手段や特定の時刻に人々の移動が集中、許容量を超えたときに発生する。混雑解消のため、国や自治体により道路建設や鉄道増便など、インフラ拡張対策が行われているが、拡張には大掛かりな工事や大規模なコストを要することが課題となっている。

富士通研究所は、人に着目し、交通割引や周辺飲食店でのインセンティブを提供して行動を誘導し、出発や帰宅時刻をシフトさせることや、交通手段を変えてもらうことなどを提案する試みを検討しており、実証実験はこの一環。

今回、行動提案の受け入れやすさを定式化した行動誘導モデルを開発した。この技術は、開発済みの人の移動ニーズと事業者利益を両立させる技術を基礎として、富士通のAI技術「Zinrai」の機械学習や予測・最適化などを用いた。

人にインセンティブを織り交ぜた行動を提案した際の受け入れやすさを、満足度と行動誘導項から算出する。行動誘導モデルを活用して受け入れやすい行動を複数抽出する。その中で、混雑の分散への貢献度が高いものを抽出することで、人々が受け入れ可能、混雑緩和に結びつく行動を見つける。発見した行動をスマートフォンに表示することで、最適な行動を提案する。

富士通研究所は、シンガポールの複数施設で、効果検証と性能向上を目的に2017年12月31日まで実証実験を行う予定。実験結果の活用と変更した技術の研究開発も進め、2016年3月までに富士通の位置情報活用クラウドサービス「SPATIOWL」への搭載を想定した実用化を目指す。

《レスポンス編集部》

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