【ドゥカティ ムルティストラーダ1200S 動画試乗】完璧なまでに進化したスーパー多目的マシン…佐川健太郎

モーターサイクル 新型車
ドゥカティ ムルティストラーダ1200S 動画試乗
ドゥカティ ムルティストラーダ1200S 動画試乗 全 17 枚 拡大写真

4つのカテゴリーの性能を1台に集約した「4バイクス・イン1」のコンセプトを掲げて『ムルティストラーダ1200』が登場したのは2010年。

【画像全17枚】

その後、電子制御サスペンション「スカイフック」を搭載した2代目を経て、初のフルモデルチェンジとなる3代目が登場。エンジンから車体、足回りのすべてにおいて革新的なアップデートが行われた最新モデルに試乗した。

一見しただけでは、従来型から大きく変わっていない感じもするが、実はカウル形状からフレーム、メーターデザインまですべてが新しく洗練されている。

従来型よりハンドル切れ角が増えて取り回しが楽になり、シート幅も4mmも絞り込まれたおかげで足着き性も明らかに向上。元々得意な長距離ツーリングに加え、街乗りもより気軽にこなせるようになった。そこに貢献しているのが今回新たに採用された可変バルブシステム「テスタストレッタDVT」だ。

走行状況に応じてバルブタイミングを調整して常に最適な出力特性を作り出してくれる仕組みで、低中速域ではこれまで以上に力強くスムーズ。極低速がやや不安定だった従来のLツインの常識を覆す新機構と言っていいだろう。事実、Uターンなども格段にしやすくなっている。そして、スロットルを開ければ、スーパーバイク並みの伸びやかな高回転パワーがほとばしる。DVTの導入により振動も大幅に低減され、燃費も向上するなど快適性も高められている。

Sモデルに搭載されている「スカイフック」も進化した。通常のサスペンションであれば底付きするような大きな路面のギャップでも、何事もなかったかのように乗り越えていく。一度味わったら戻れない、そう思えるほど上質で滑らかな乗り心地だ。ブレーキシステムもさらに進化。フロントにはブレンボ製M50モノブロック・ラジアルキャリパーが装備され、コーナリングABS はなんとフルバンクでも安心してブレーキングできるタイプに。また、カーブの先を照らしてくれるコーナリング・ヘッドライトが新たに装備されたことで安全マージンも高められている。

これらの進化により、ライディングモードも「アーバン」、「ツーリング」、「スポーツ」、「エンデューロ」のそれぞれのシーンでより効果的に体感できるように思える。特に今回、ダートでの性能には感服した。泥濘のある砂利道でもマシンの挙動は驚くほど安定していて、ほとんどマシンまかせで行けてしまうほど。17インチのロードタイヤであることを考えると驚異的である。

また、Sモデルにはマルチメディア・システムが搭載され、スマホがより便利に活用できるようになり、専用アプリで走行データ管理やSNSとのリンクも可能になるなど、ライディングの楽しさはさらに広がった。

もうこれ以上何を求めるのかと言いたくなるほど、まさに完璧なまでの進化を遂げた新型ムルティ。今最も未来を先取りしたマシンの姿を見た。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
快適度:★★★★★
タンデム:★★★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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