【ボルボ V40 限定車 試乗】走り屋仕様、超お買い得の「カーボン・エディション」…中村孝仁

試乗記 輸入車
ボルボ V40 T5 Rデザイン カーボン・エディション
ボルボ V40 T5 Rデザイン カーボン・エディション 全 15 枚 拡大写真

かつてボルボは、ボーリングカーと揶揄されたことがある。ボーリングカーとは退屈なクルマという意味。走りが退屈だということであるが、今やそれは完全に過去のもの。きびきびとした走りはCセグメントFWD車の中でもベストな1台だ。

【画像全15枚】

『V40』に追加された「T5 Rデザイン カーボン・エディション」、文字通りルーフにカーボンを使用し、さらにドアミラーカバーやフロントスカッフプレートにもカーボンを使用した。他にも少し大きめのルーフスポイラーや鮮やかな赤のシートベルト、V40史上初となる19インチホイールと235/35R19のタイヤなど、外観や内装でもすぐにそれと分かるアイテムがふんだんに施されている。

これだけ装備を追加して、価格は通常の「Rデザイン」と比較してたったの20万円アップで収まっているから、超お買い得車。と言っても日本市場はたったの88台しか導入されず、全世界でも343台の供給というから、人気が出るのは必至である。

今回の試乗車はさらに、新たにT5にも設定が可能となったポールスターのロムチューン「ポールスター・パフォーマンス・パッケージ」が施されたパワーユニットが搭載されていた。これは従来20万5715円で提供されていたものが、18万8000円に値下げされていて、別料金ではあるがこちらもお得である。

カーボンを使っているのだからさぞや軽量化されているかと思いきや、実は車重は通常のT5 Rデザインと変わらないという。マーケティング氏曰く、恐らく19インチホイールなどが重くなって相殺されたのでは?とのご意見。ならば簡単に言えば上を軽くして下を重くしたわけだから、バランス的には良くなっているということであろう。いずれにせよ、数kgのオーダーだという。だから、バランスの良さを実感するにはサーキットの速度域が必要そうだ。少なくともオンロードでそれを実感することはできなかった。

一方のロムチューン、ノーマル車の245ps/350Nmに対し、253ps/400Nmと、パワーで8ps、トルクで50Nmの向上だ。とは言うものの、ポールスターが施したチューニングは、主として中速域でのパフォーマンス向上。だから、常用域ともいえる1500rpm~3500rpmではパワーは25ps向上しており、トルクは50Nmがそのままこの領域で拡大している。これは素直に体感できる。

40km/h程度のスピードで高速への流入からアクセルをフルに開けず、パーシャル状態でスピードが乗ってくるのを待っていると、ゾーンに入ったところでグイッと背中をシートに押し付けられる加速を開始する。通常のT5だって十分に速いし、加速感もあるが、それとは異なるさらに強烈な加速であった。

ポールスターは他に、スロットルレスポンスをさらに向上させ、ギアシフトのスピードもアップ。スロットルを閉じた時のレスポンスも向上させているから、全体的なメリハリは明確に向上している。

Rデザインは足回りも強化されている。実は『XC60』のRデザインであまり良い思いをしていなかったのだが、V40のそれは別物。確かに硬いは硬いが十分に許容範囲だし、それなりのスピードの場合は、この安定感は必要不可欠と思われた。8速は通常のトルコンATだが、今やそのギアシフトの速さはDCTに負けず劣らずで、サーキットで走らない限り、デイリーユースにはこちらの方が良いと思える。

車両本体価格には、本革シートやパワーシート、ナビゲーションシステムや12セグ地上デジタルテレビチューナー、パークアシスト、ボルボでは当たり前の安全システムがすべて標準装備だから、およそ必要と思われるものはすべて標準装備となっている。おまけに2016年仕様のT5用2リットル、JC08モード燃費が15.9km/リットルに向上し、減税対象になるため、取得税40%、重量税25%減でおよそ9万円の減税となるから、財布にも優しい。

■5つ星評価
パッケージング ★★★
インテリア居住性 ★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来37年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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