既存のETC活用で位置情報を高精度に検知、沖電気が技術を開発

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次世代ITS路側インフラ無線技術システム構成図
次世代ITS路側インフラ無線技術システム構成図 全 1 枚 拡大写真

沖電気工業は、ETCなどを使って電波到来方向を推定、車両位置を検出する「次世代ITS路側インフラ無線技術」を開発したと発表した。

ETCなどのITS無線通信における電波の発信元の位置を特定する技術を路側機に搭載することで、既存車載器を変更することなく、DSRC通信中の車両位置、走行車線を検出するシステムを構築できる。通信端末を歩行者に展開することで、交通安全支援技術に応用できるとしている。

現在、5.8GHz帯の電波を使用したDSRC路車間通信や、700MHz帯を使用した車車間/路車間通信による安全運転支援サービスが実用化され、ITSでの電波利用が進んでいる。安全運転支援の高度化、環境対策、快適・利便性向上など、道路交通問題を解決するため、自動運転技術の開発が加速している。これらを実現するためには、より精度の高い車両や歩行者の位置測位技術が必要となる。

同社では、普及しているETC・DSRC車載器の活用に着目、従来製品のDSRC路側機をベースに、到来方向推定アンテナモジュールと到来波推定処理などを採用しれた「次世代ITS路側インフラ無線技術」を開発した。

この技術は、ETC・DSRC車載器から送信された電波を到来方向推定アンテナモジュールで受信、アンテナモジュールを構成する各アンテナ素子の経路差から生じる受信信号の遅延量より電波到来の方位を推定するもの。複数の到来波推定装置を使用することでETC・DSRC車載器の位置を特定できる。

今回開発した「次世代ITS路側インフラ無線技術」を使って、車両と歩行者を対象した測位実験を実施し、30m四方のDSRC通信領域内で、誤差1mの位置精度を確保できることを検証した。

路側機の設置条件などによっては誤差0.5m以内の位置精度を確保でき、GPSと同等以上の測位精度を確認できたとしている。実験結果により、電波到来方向推定技術を使った測位には、GPSに比べ、高精度の測位エリアの形成や測位遅延低減などの優位性があることを確認したとしている。

同社では、今回の電波到来方向推定技術を利用した車両・歩行者位置検出の開発を踏まえ、次世代のITSインフラの検討とサービスの適用検証を進める。また、その他の電波発信位置を推定するシステムとして、ドローンをはじめとするロボットの操縦者位置探索など、ITS用途以外の多様なニーズにも柔軟に対応したシステムを提供していく。

《レスポンス編集部》

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