【トヨタ プリウス プロトタイプ 試乗】汚名返上、従来型からは想像できないハンドリング…大谷達也

試乗記 国産車
トヨタ プリウス プロトタイプ
トヨタ プリウス プロトタイプ 全 16 枚 拡大写真
エンジンの燃焼系を改良して最高熱効率40%を達成するとともに、駆動系のフリクションロスを20%も低減することで、JC08モード40km/リットルの目標燃費を掲げた4代目『プリウス』。そのプロトタイプ試乗会の会場となったのは、なんと富士スピードウェイのショートサーキットと構内路。彼らが世界一と標榜する燃費性能を確認するには、いかにも不似合いなシチュエーションだ。

しかし、トヨタがこの会場を選んだ理由は、まったく別のところにあった。彼らは、これまで不評を買ってきた乗り心地やハンドリングが改善されたことを広く知らしめるために、この試乗会を企画したのである。

果たして、彼らの目論見は見事に達成されたというべきだろう。「もっといいクルマ」づくりを目指すトヨタは、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と呼ばれる手法を用いてクルマの「走る・曲がる・止まる」に関わる基本性能の改善に取り組んでいるが、その成果は4代目プリウスのプロトタイプにも余すところなく反映されており、ショートサーキットでは従来のプリウスからは想像もできないほど正確なハンドリングを示したほか、トーションビームからダブルウィッシュボーンに格上げされたリアサスペンションは滑らかな乗り心地を実現。「燃費はいいけれど、快適性はまるでダメ」というこれまでの汚名返上に成功したのである。

あとは実際の道路状況でどの程度まで燃費性能が改善されたかだが、この点は公道試乗会が開かれるのを待つしかないだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★


大谷達也|自動車ライター
元電気系エンジニアという経歴を持つせいか、最近は次世代エコカーとスーパースポーツカーという両極端なクルマを取材することが多い。いっぽうで「正確な知識に基づき、難しい話を平易な言葉で説明する」が執筆活動のテーマでもある。以前はCAR GRAPHIC編集部に20年間勤務し、副編集長を務めた。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本モータースポーツ記者会会長。

《大谷達也》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ライズ』がカラフルに変身!? フルーツがテーマ『ハバナ フルーティーポップ』、キャルズモーターが発売
  2. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  3. 新型取締機「JMA-520/401」に対応、セルスターがコンパクトな一体型レーダー探知機を発売
  4. 一人乗りマイクロEV「EQV-TREK」発売、355kgの軽量ボディで航続110km…107万8000円から
  5. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る