【トヨタ プリウス プロトタイプ 試乗】ドライバーとクルマが対話できるモデルに…飯田裕子

試乗記 国産車
トヨタ プリウス プロトタイプ
トヨタ プリウス プロトタイプ 全 16 枚 拡大写真

ストロベリーのブツブツが稀に歯と歯の間に挟まって気になるくらいのちょっとした不満はあったかもしれない、これまでの『プリウス』。それでも環境性能やパッケージングに優れたこのモデルが圧倒的な市民権を得ていたのは言うまでもない。

4世代目となる新型プリウスはこれまでのちょっとした不満を解消しているばかりか、動的、静的な性能や質感をググッと上げていた。

トヨタがクルマづくりの構造改革に取り組んで誕生させたのは新型プリウスの前にTNGA(Toyota New Global Architecture)という次世代のプラットフォーム戦略。結果、TNGAを採用するモデルとして第一弾となる新型プリウスの運動性能の質を上げ、ドライバーとクルマが対話できるモデルになっている。筆者の第一印象は、ハイブリッド車のパイオニアであるプリウスが今回、新たなフェーズに入ったと悟った、ということだった。

運転席からの視界も良好。先代ではダッシュボードの奥行により車両感覚に不安を抱くこともあったが新型では自然にドライビングポジションを取り、スムーズに走らせることができる。

薄型のシートはペタッと体にフィットしサポート性にも優れていた。コーナリング性能も上がった新型プリウスのドライビングにはやはりサポート性に優れたシートは必要だ。これまでも可倒式のリヤシートを活用すればホントに便利に使えたラゲッジ収納量=パッケージングも魅力だったが、そのラゲッジ量はさらに56リットル増えて502リットルに。

あえて気になる点を挙げるとすれば、動力に不満はないが加速のリニアさがもっと伴えばステキだ。室内高が30mm減っているのに運転席のヘッドクリアランス+21mmは素晴らしい。が、その分シートの高さ調節量を増やしてくださったら(ペダル操作との兼ね合いも必要だけど)、小柄な方の視界がより良好になるのではないかしら。

とは言え、多くの方が好む環境性能に一層優れた新型プリウスは、ドライバーもパッセンジャーも、ストロベリーのブツブツが気にならずモグモグと食すことができるような、食べ(手)応えと味わいを手に入れているようだ。

■5つ星評価
パッケージング :★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

飯田裕子|自動車ジャーナリスト協会会員
現在の仕事を本格的に始めるきっかけは、OL時代に弟(レーサー:飯田章)と一緒に始めたレース。その後、女性にもわかりやすいCar & Lifeの紹介ができるジャーナリストを目指す。独自の視点は『人とクルマと生活』。ドライビングインストラクターとしての経験も10年以上。現在は雑誌、ラジオ、TV、シンポジウムのパネリストやトークショーなど、活動の場は多岐にわたる。

《飯田裕子》

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