【トヨタ プリウス プロトタイプ 試乗】ウェットでもよく動くアシ、動きに高級感…松田秀士

試乗記 国産車
トヨタ プリウス プロトタイプ
トヨタ プリウス プロトタイプ 全 16 枚 拡大写真

当日はあいにくの雨のコンディション。ショートサーキットでのハンドリングの印象はサスペンションが良く動くようになったと感じた。ステアリングを切り込むと、フロントサスペンションのロールがちょうどよいレベルで発生し、これまでの突っ張ったようなフィーリングがかなり薄れた。足の動きに高級感が出たといってよい。

ウェットコンディションだったので、さらに深くロールしたところまでは試せなかったのが残念ではあるが、ストロークのオーバーシュート(行き過ぎ)は感じられなく、ロールの終息(S字切り返しなど)も遅れは感じられなかった。

リヤサスペンションがダブルウィッシュボーン式に進化したことで、サスペンション系の躍動感が出て、同時に乗り心地も改善されている。15インチと17インチのタイヤサイズが用意されていたが、17インチタイヤの方がウェットコンディション的にはグリップ感もバランスもよく、DSC(スタビリティコントロール)が介入した時の違和感が少ない。

アクセルさえ踏んでいれば、滑りやすいウェットコンディションでもステアリングを切った方向によく曲がってくれる。逆にABSが作動するほどのブレーキングをしながらのコーナリングではアンダーステアが強かった。

これは15インチタイヤで顕著だった。15インチタイヤは燃費指向だと思われるので、グリップレベルが低かったのが原因だろう。贅沢を言えば、この部分のDSCマネージメントをもっと詰めたい。

ドラポジはシート高が59mm低くなったが、比例してダッシュボードも同じくらい下がっている。さらに、Aピラーとドアミラー周りの視界が大きく改善されているので、先代(現行モデル)に比べて前方&側方視界が良くなった。そのおかげで先代ではつかみにくかった運転席から見た左フロント角の位置がわかりやすくなっている。まだまだではあるが、2代目から3代目でこの視界に関する部分が進化していなかったので、今回の改良は評価できる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア・居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践しスーパーGT最年長55歳の現役レーサー。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

《松田秀士》

松田秀士

成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践する。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  2. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
  3. 外装も内装も「どピンク」な超高級SUV、ベントレー特注部門のスゴ技とは
  4. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  5. ジープ『チェロキー』新型、新写真からリアデザインが判明
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る