世界のトップドライバーを目指す戦い…SRS-Fスカラシップとは

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2015年度 SRS-F スカラシップ選考会最終日
2015年度 SRS-F スカラシップ選考会最終日 全 22 枚 拡大写真

鈴鹿サーキットは11月19日、「SRS-F(鈴鹿サーキットレーシングスクール フォーミュラ)」の最終選考会を国際レーシングコースで実施し、選考の結果、2015年度のスカラシップ(奨学制度)獲得者を阪口晴南(せな)と牧野任祐(ただすけ)の2名に決定した。

SRS-Fは、F1など海外のトップレースで活躍できる若手レーシングドライバーを発掘・育成するためのプロジェクトだ。名称にF(フォーミュラ)とあるように、F1を頂点とするフォーミュラカーのドライバー養成に特化している。

できるだけ広い裾野から才能ある若者を見つけるため、入門段階としてSRS-F体験スクールやSRS-Fベーシックがあり、さらにベーシック修了者から選抜された者が入校できるSRS-Fアドバンスがある。そしてアドバンス修了者から選抜された若干名(2015年度は5名)のみが参加できる最終関門が、例年9月から3か月間にわたって行われるSRS-Fスカラシップ選考会だ。

2015年度最終選考会のこの日は、午前中から練習走行20分が2回、計測走行20分が1回、そしてレース形式の走行(フルコース17周、約40分)が、第1ヒートと第2ヒートの2回に分けて行われた。

用意されたマシンは計10台。スカラシップ候補者5名のほか、比較のために参加した現役FIA-F4参戦ドライバー4名、そして講師1名の10名が走るためだ。晴天に恵まれたこの日、結果的にスカラシップを獲得した阪口晴南(せな)ら上位グループのラップタイムは2分7秒台というハイレベルで、車両規定が大きく異るものの、性能的には近いFIA-F4の鈴鹿におけるコースレコード(2分8秒192)を上回った。

SRS-Fアドバンスおよびスカラシップ選考会で使用されるマシンは、スクール用に製作されたオリジナル・フォーミュラカー「童夢SDH-F04/TR204F」。シャシーは童夢のカーボン/アルミ製で、エンジンは旧『シビック タイプR』用の自然吸気2.0リットルDOHC VTECをほぼノーマルのまま使用。ミッションはドグクラッチ式のシーケンシャル6速タイプになる。

タイヤには、ブリヂストンがスクール用に開発した専用スリックを使用する。あまり頻繁にタイヤ交換が必要ないよう、コンパウンドはライフ重視だという。この日は全車、途中で1回交換し、計2セットを使用していた。

スカラシップ選考にあたって、当然ながらラップタイムは重要な要素だが、そこで気になるのがマシンのイコールコンディション性だ。その点について、鈴鹿サーキット モータースポーツ部の山野裕康氏に聞くと、いくら同じ仕様と言っても車両ごとに微妙に性能差や特性の差は出るので、選手が使用する車両はシャッフルしているという。

そしてマシンによって微妙にアンダーステアだったり、オーバーステアだったりするのに対して、スカラシップ候補者がいかに対応するかも選考では問われる。ちなみにセッティングについては、ドライバーの判断でフロントウイング(左右それぞれのフラップ角)とリアウイングの角度を変更することができる。当然ながらこうしたセッティング能力もスクールで学び、また要求される要素の一つだ。

エンジンについては、シビック タイプR用のノーマルエンジンの場合、220psほど出ているが、スクール用は基本ノーマルのまま200psにデチューンするなどして、より性能差が出ないように工夫しているという。それでも「何となく立ち上がりが速い」といった違いは出てしまうようだが、単純に言えば“遅い”車両でも速く走れば実力を証明できる、というわけだ。

《丹羽圭@DAYS》

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