【NASCAR】トヨタから初の最高峰シリーズ王者が誕生…カイル・ブッシュ初戴冠

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最終戦、トヨタの#18 カイル・ブッシュがチャンピオンに輝いた。
最終戦、トヨタの#18 カイル・ブッシュがチャンピオンに輝いた。 全 7 枚 拡大写真

現地22日に米国のマイアミ・ホームステッドで開催された「NASCARスプリントカップ」の今季最終戦において、トヨタ・カムリを駆るカイル・ブッシュがドライバーズチャンピオンを獲得した。トヨタはNASCARの最高峰カップ戦に参戦して9年目、悲願の王者初輩出となっている。

米国のモータースポーツというと、日本ではインディカーの方が知名度は上かもしれないが、現地で最高人気を誇るのは伝統のストックカーレース「NASCAR」。NASCARにはいくつかのシリーズがあるが、そのなかで最高峰に位置づけられるのが現在はスプリントカップという名称のシリーズである(かつてはウィンストンカップ、ネクステルカップ等の名称だった。「スプリント」は冠スポンサー名で、レース距離についての意味合いではない)。

年間36戦もシリーズ戦があるスプリントカップだが、ドライバーズチャンピオン争いはシーズン後半10戦の「チェイス」と呼ばれるプレーオフ的なシステムで争われる。昨年から新ルールになった現行チェイスでは、まず26戦終了時点で獲得ポイントや勝利数によって16人にチャンピオン争い有資格者が絞り込まれる。その後もレース自体はフルメンバーで戦われていくが、チャンピオン争いは有資格者だけで展開されることになり、しかもその人数は3戦ごとに4人ずつ削られていく。12人、8人と絞られ、そして最終戦(第36戦)、4人による先着勝負でタイトルの行方が決まるのだ。

トヨタは今季、チェイス最初の16人枠に5人を送り込む好調ぶり。ただ、その後の戦いでは厳しいところもあるなどし、最後の4人にはカイル・ブッシュのみが残った。他の3人はいずれもシボレー勢(フォード勢は最後の4人に残れず)。

カイル・ブッシュは最終戦、最終盤のリスタート後にトップに立つとそのまま優勝し、見事にチャンピオンに輝いた。カート・ブッシュとの兄弟NASCAR選手としても知られるカイルは、これが初のスプリント(最高峰)カップ王座獲得、自身12年目の悲願達成だ。今季は負傷によりシーズンの約3分の1を欠場しての王座到達だけに、喜びもひとしおだろう。

カイル・ブッシュのコメント
「信じられない! ついに人生の夢が叶った。今年は様々なことがあったが、妻、そして支えてくれた全ての人々と共に戦い続けてきた。このタイトルはその全ての人たちのおかげだ。本当に長かった。今夜のレース、我々のトヨタ・カムリは本当に速かった。トヨタ、クルーチーフ、スポンサー、そしてファンのみなさんに感謝したい。最高だ。夢が叶った」

そしてトヨタにとっても2007年の参戦以来、初の最高峰カップ王者輩出、悲願達成ということになった。アメリカという国に深く根付いたレースであるNASCARの最高峰に参戦、そして有力チームを陣内に得るなどして戦い、王座を目指すというのは、様々な意味で現地のレース界やファンの「理解」を得る必要もあるため、そういった難しさにもトヨタは直面したと思われる。9年の歳月をかけ、やはり夢を叶えたのである。ちなみに、トヨタに最高峰カップ戦で初勝利をもたらした(08年)のもカイル・ブッシュであったとされる。

カイル・ブッシュとトヨタがディフェンディングチャンピオンとして臨むことになる2016年シリーズは、2月21日決勝予定の、開幕戦にしてシリーズ最高栄誉の一戦である「デイトナ500」から始まる。

《遠藤俊幸》

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