「幸福とは何か?」幸福感と脳の関係、京大研究グループが解明

エンターテインメント 話題
脳体積と主観的幸福の散布図
脳体積と主観的幸福の散布図 全 2 枚 拡大写真

 京都大学は11月20日、佐藤弥准教授らの研究グループが「幸福」という感情の神経基盤を初めて解明したことを発表した。「幸福」感が強い人ほど、右脳にある楔前部(けつぜんぶ)の体積が大きく、弱い人ほど小さいという比例関係があることがわかった。

 心理学の研究では主観的幸福を質問紙で安定して計測でき、感情成分と認知成分から構成されることを示してきた。しかし、脳内のどこに、どのように表現されているかという神経基盤は不明だった。

 京都大学大学院医学研究科の佐藤弥特定准教授らの研究グループは、成人を対象に脳の構造を計測する磁気共鳴画像(MRI)と幸福度などを調べる質問紙回答との関係を調べた。その結果、右半球の楔前部の灰白質体積と主観的幸福の間に正の関係があることがわかった。つまり、ポジティブな感情を強く感じ、ネガティブな感情を弱く感じ、人生の意味を見出しやすい人は右楔前部の体積も大きかった。

 楔前部で、感情的・認知的な情報が統合されて生み出されることが示唆されたことから、主観的幸福の構造的神経基盤が世界で初めて明らかになったという。佐藤弥特定准教授は「アリストテレスなどの学者が取り組んできた『幸福とは何か』という問題に自分なりの科学的解答が出せて幸福です」とコメントしている。

 詳しい研究内容は京都大学のWebサイトで公開しており、研究成果については2015年11月20日にイギリスの科学誌「Scientific Reports(サイエンティフィックリポーツ)」のWebサイトに掲載されている。

《田中志実》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツの主力SUV『GLC』、新型を9月に世界初公開へ
  2. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  3. その名の通り1000馬力! 新型スーパーカー『ブラバス1000』発表、AMG GTのPHEVをさらに強化
  4. 日産『エクストレイル』米国版が2026年型に、新グレード「ダークアーマー」設定
  5. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る