デンソーウェーブ、ロボット事業を新商品・新分野で拡大

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デンソーウェーブ 代表取締役社長の柵木充彦氏
デンソーウェーブ 代表取締役社長の柵木充彦氏 全 12 枚 拡大写真

デンソーのグループ会社であるデンソーウェーブは11月26日、本社(愛知県知多郡阿久比町)で、世界最小クラスの小型ロボットアーム「COBOTTA(コボッタ)」のプロトタイプを報道陣向けに初公開すると共に、産業用ロボット事業の概要と今後の事業展開について説明した。

デンソーの子会社として2001年に独立した同社は、バーコードリーダーやQRコードスキャナなどの「自動認識」事業、ロボットアームなどの「産業用ロボット」事業、生産ラインや工作機械などを制御する「産業用コントローラ」事業の3分野で展開している。2014年の売上高は401億円、従業員数(2015年3月時点)は約1000人で、事業規模はデンソー本体(それぞれ4兆3098億円、約14万7000人)の100分の1ほどだ。

産業用ロボットに関しては、1967年にデンソー本体で開発がスタートしており、すでに50年弱の歴史を誇る。デンソーウェーブ代表取締役社長の柵木(ませぎ)充彦氏は、「ロボット事業は昨今、産業用以外、例えば生活用、介護用、医療用など様々な分野で非常に盛んになっている。デンソーウェーブでは産業用を中心に展開しているが、その産業界においてもロボットはいろいろな意味で変化している」と今後大きく発展する可能性があるロボット市場への期待を語った。

同社がラインナップする産業用ロボットは可搬質量が20kg以下のもので、用途としては小物の組立・搬送が多いとのことだが、2009年には国内初の医薬・医療用ロボットを発売するなど、近年は医療分野へ進出が目立っている。医薬・医療用ロボットは、殺菌のための過酸化水素水やUV照射などの滅菌環境に耐えるほか、汚れが付着しにくい滑らかな表面処理を持つなど、高いサニタリー性が特徴。さらに今年4月には、手術中の執刀医の腕を支える手術支援ロボット「iArmS(アイアームス)」も発売している。今後はさらに、食品・化粧品分野へもロボット事業を展開する予定だ。

一方で、人と協働するという新しいコンセプトで開発中の小型ロボットアーム「コボッタ」などの新商品によっても、マーケットの拡大を図る。コボッタについて、デンソーウェーブ 執行役員・制御システム事業部長の長島良治氏は、「今後、自動化が進むであろう分野、例えば研究室やラボなど、これまで自動化が進みづらかった分野において、人を支援する道具の一つとして考えている。またそのコンパクト性は、生産設備においても大きなメリットになる」とした。

コボッタの開発を担当する同社の澤田洋祐氏は、「手作業において、もう一つ手があったら効率が上がるのに、とか、人が作業するのをロボットがチェックしてくれたら、もっとクオリティが上がるのに、といった工程が、たくさん潜在していると思う。人とロボットが一緒に働くことで、作業効率が上がる、品質が上がるということにつながると考えている」と語った。

《丹羽圭@DAYS》

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