【ブリヂストン REGNO GRレジェーラ】165/65R14に凝縮した性能バランス…軽専用にこだわった開発ポイント

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ブリヂストン タイヤ開発第5部 部長 山口渉氏
ブリヂストン タイヤ開発第5部 部長 山口渉氏 全 12 枚 拡大写真

12月4日発表された軽自動車専用プレミアムタイヤ「 REGNO(レグノ) GRレジェーラ」は、市販までに3年かかったというほど、開発が難しかったという。

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「REGNOはブリヂストンのプレミアムタイヤとして、すべての性能を高い次元でバランスさせています。軽自動車専用のサイズで、 REGNOにふさわしい静粛性、快適性、運動性能を実現しなければなりませんでした」。

こう語るのはブリヂストン タイヤ開発第5部の山口渉部長。開発でこだわったのはまず静粛性。軽自動車では、気になる騒音というのは100~400Hzあたりの低・中周波数帯のノイズだという。これは、ノイズ分析でも感応テストでも証明されている。タイヤのベルトが路面の凹凸を拾って出る「ゴー」「ガー」という振動音やパターンが発するピッチノイズがその主因だ。これらのノイズを抑えるためには、トレッド面の縦方向はリブ基調パターンが基本となる。加えてサイプ(トレッド面の細い切れ込み)を横溝の代わりにメインに配置する。これによって気になるノイズを抑え、ブロック剛性が高まり、ピッチノイズを低減させるという。ブロック剛性のアップは走行性能にもプラスに働く。そして、ショルダー部分に施された「3Dノイズカットデザイン」がロードノイズを抑制する。

さらに、軽自動車サイズのタイヤながらノイズ吸収シートIIを採用している。タイヤの走行中の振動を解析すると、セダンサイズのタイヤでは主にショルダー部が振動するが、軽自動車サイズの場合ベルト全体が振動する。これを剛性を最適化したシートで抑えようというものだ。

なお、 REGNO GRシリーズは特殊な構造を持ち、車のマフラーのような溝の空間がサイレンサーとして機能するダブルブランチ消音器が特徴だが、軽自動車タイヤの場合、構内共鳴音やブロックが発するノイズはそれほど大きくないため、レジェーラには採用されていない。それでも、騒音エネルギーは同サイズのエコピア(155/64R14)と比較して、40km/h走行で24%、80km/h走行で29%低くなっているという。高速走行時に、より騒音を抑える効果が高いということは、高速道路などでロードノイズによるストレスや疲労の低減が期待できるだろう。

走行性能の向上は、剛性を最適化したリブ、サイプ基調のパターンとタイヤのイン側、アウト側で非対称形状としたサイドウォールのチューニング(レグノサイドチューニング)で対応する。これにより、タイヤの応答性能をアップさせ、ふらつきを抑えたなめらかなレーンチェンジが可能になった。

ライフを向上させるためには、サイプの断面を直線ではなくギザギザにすることで(3D M字サイプ)、コーナリングや据え切りでブロックの倒れこみを防止し、偏摩耗を抑えている。同サイズのエコピア(同前)との比較では10%ほど寿命が延びているそうだ。

また、3D M字サイプと「チャンファリング」と呼ばれるブロックのエッジ部分の形状を最適化して、制動時の接地面を均一にする工夫は、低燃費性能に貢献している。素材面ではポリマーを均一に分散させる補助剤、それによるシリカの増量、ウェット向上ポリマーなどエコタイヤの技術も投入されており、ラベリング表示ではAb(転がり抵抗係数A、ウェット性能b)に対応している。エコピアとの性能比較では、転がり抵抗は同等、ウェットのブレーキ性能は4%向上している。高性能タイヤでウェット性能の向上はありがたい。

軽自動車サイズのタイヤは、一般的なプレミアムタイヤのサイズと比べて、走行時の回転数もおよそ2倍となる。絶対的な大きさ、接地面など「グレートバランス」実現にはハードルが高いのだが、GRレジェーラでは、以上のような工夫と技術開発によって REGNOブランドを冠することができたという。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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