初めてAO入試を導入する東大と京大、倍率の違いがくっきり

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今さら聞けない!AO入試の基礎知識
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 AO入試や推薦入試を受ける予定の子どもの保護者の質問に、教員経験をもち、総合キャリア支援団体「MyCareerCenter」を運営する岡村洋平氏が答える連載「AO入試の基礎」。第17弾では、東京大・京都大で初めて導入された両大学のAO入試について聞いた。

2016年度から始まった東京大・京都大のAO入試

 AO入試や推薦入試がより多くの大学で本格的に導入されるきっかけとなりそうなのが、東京大・京都大でのAO入試(それぞれ、名称は「推薦入試」「特色入試」)導入です。2016年度入試、つまり今の高3生が受験をするタイミング初めて行われていますが、両大学とも選抜方法は、以下の3つです。

 A 書類審査
 B 小論文、面接等、各学部学科で設定した試験
 C 大学入試センター試験(一部の学部学科のみ)

 基本的にAが1次選考、Bが2次選考となっており、これ自体は一般的なAO入試や推薦入試と変化はありません。特徴的なのは、Cがあること。センター試験の成績が加味されるのは1次選考のタイミングだったり、2次選考での合格が発表された後、最終合格の手前だったりと、それぞれの大学・学部・学科によって異なります。ただ、選抜の材料として得点の高低が積極的に活用されるというよりは、受験生に基礎学力が十分あることを確認するためのものだと思われます。

 すでに11月からは京都大の一部の学部では1次選考(書類選考)の結果も発表され、教育学部や理学部などでは2次選考も行われました。東京大でも1次選考の結果は発表されており、続いて年内に面接などが実施されます。

ハードルが高かった出願資格…実際の出願状況は?

 「あの」東京大・京都大で実施が発表されると、一体どのような入試が行われるのかということ、そして実際どのくらいの学生が出願するのかということが話題になりました。

 両大学とも、初年度の実施についてはそもそも出願資格のハードルが高いことに加え、なにぶん最初の実施なだけに受験生も(保護者も学校の教師も)「様子見」をしようという気持ちになりやすく、倍率もそう高くはならないのではという見方もありました。実際、出願状況は蓋を開けた結果はどうだったのでしょうか。

 東京大学が11月9日に公表したところによると、全体で100名の募集に対して応募者は173名。学部ごとに応募を見てみると、理学部では10人の募集に対して32人が出願と3倍を超える応募がありました。その一方で、経済学部では10人の募集に対して7人の出願に留まっており、学部ごとに倍率のばらつきが少なくありません。

 他方、京都大学は12月1日現在で全体の倍率が3.3倍(法学部は入試が1月以降なので除く)。一部の学科では出願者が数名のところもありますが(もっとも募集自体が2~3名だったりもするのですが)、文系の学部では軒並み3~5倍程度の受験生が出願しており、一般入試並みかそれ以上の倍率になっています。

 今回は、それぞれの大学の概要のみを説明しましたが、次回からは、推薦要件(出願資格)や提出書類等についても紹介していきます。

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 連載「AO入試の基礎」は、AO入試や推薦入試を、学生やその保護者が受験をする際の「前向きな選択肢のひとつ」にするべく掲載されるシリーズ。次回以降も、AO入試について役立つ情報を取り上げる。

【AO入試の基礎17】2016年度初の実施!東大と京大のAO入試おさらい

《編集部》

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