【レクサス GS F】Fブランドの世界観をより多くのユーザーに楽しんでもらうモデル

自動車 ニューモデル 新型車
レクサス GS F
レクサス GS F 全 8 枚 拡大写真

レクサスのスポーツ性を象徴するFという記号。実はこれ、レクサス・ブランドが誕生した時に生まれたモデル、『LS400』の開発時に付けられた「○F」というプロジェクト名にその起源があるそうだ。

これまで本格的Fモデルとしては、『IS F』、『LFA』、そして『RC F』と3台のモデルが市場投入され、今回の『GS F』はその4台目のモデルということになる。 セダンボディを使うことで、より多くのユーザーにスキルとは無関係に走行を楽しんでもらうモデルに仕上げている。

随所に専用パーツを使うことで見た目とは裏腹に研ぎ澄まされた性能を持つのはRC F同様。例えばサスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン、リアにマルチリンクと構造は既存のGSと同じだが、専用パーツを使用し、専用のチューニングを施すことで、走りを楽しみたいユーザーにはその違いが鮮明にわかるシャシーセッティングとされているのだ。

さらに、RC Fではオプション扱いだったトルクベクタリングディファレンシャルは、GS Fでは標準装備とされている。これは走行に合わせ、スタンダード、スラローム、サーキットという3つのモードからドライバーがチョイスできる。さらに運転支援システムであるVDIMも公道からサーキットまでをより楽しく安全にドライブできるよう進化させている。

エンジンは5リットルNAV8。エンジンが完成された後に1基ずつ回転バランスを取る専用工程を経て搭載されるもので、結果としてレクサス最高レベルのエンジンバランスを持つものとなっている。

音に対するこだわりも凄い。通常聞こえるエンジンおよびエクゾーストサウンドに特殊な調整音を加えるASC(アクティブサウンドコントロール)を導入することで、より気持ちの高ぶりを増幅するサウンドとされているのである。特に今回はRC Fではエンジンサウンドにのみ調整をを加えていたが、GS Fではエクゾースト系にも加えることでさらなるV8の美しい音色を聴くことが出来る。この調整音を出す専用のスピーカーが室内の前後に1個づつ装備されている。

ドライブモードセレクトはエコ、ノーマル、スポーツS、スポーツS+という5つのモードから選択可能。特にスポーツS+ではDレンジのままサーキット走行を堪能できるよう、ATのダウンシフトの際のブリッピング機能を備えると同時に、シフトスケジュールも最―キットに合わせた設定になる。

ボディも前後にブレースを追加して剛性アップを果たし、サーキット走行に耐えうる高剛性ボディを実現している。またブレーキも高い剛性と耐摩耗性を兼ね備えたフロントアルミ対抗6ピストン、リアアルミ対抗4ピストンものブロックを採用し、特に足元を際立たせるオレンジ色のキャリパーをオプションで設定している。

ボディは一見大きな違いはないように感じるが、例えばフロントグリルは漆黒メッキグリルが採用され、そのパターンは上方にはLの文字が象られ、下方に行くに従いそれがFの文字に変わる凝りよう。さらにサイドにはL時シェイプのエアアウトレットが存在し、リアではIS-F以来の台形配置の4連エクゾースト&ディフューザーが備わるなど、子細に眺めるとその違いは大きい。

インテリアもダッシュなど基本デザインこそ標準モデルと同じだが、メーターレイアウトは異なるし、何よりフィット感最高のハイバックスポーツシートが備わる。

というわけで、4ドアセダンの実用性は活かしつつ、スポーツセダンとしての性能を最大限に引き上げ、スポーツカー並の走りを体験できるクルマ。それがGS Fなのである。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 第3世代e-POWERの日産『キャシュカイ』が無給油で英国縦断! その実力に日本導入への期待高まる
  2. 販売わずか3年の希少車種、「角目」のいすゞ『117クーペ』【懐かしのカーカタログ】
  3. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  4. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  5. ブラバスがロールスロイスSUVをカスタム! ワイドボディに700馬力の12気筒ターボ搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る