国際天文学連合(IAU)は、太陽系外の惑星系に名前をつけるキャンペーンの結果を発表した。
今回、19の惑星系(14の恒星とそのまわりを回る31の惑星)に提案された名前への投票結果が出そろい、IAUが承認した。キャンペーンには、世界中から高い関心がよせられ、太陽系とは異なる惑星系の公式名を決める投票に、182の国と地域から50万票以上の参加があった。
現在、公式に天体に名前をつける権限はIAUが持つ。IAUによる「太陽系外惑星命名キャンペーン)」は、一般の人が系外惑星とその中心にある恒星(主星)に名前をつける機会を初めて提供した。
今回の投票で選ばれた名前は、提案団体の名前とともに天体カタログに記載される。既につけられている学術名にならんで、誰でも自由に使うことができる。
一般投票は2015年10月31日(世界時)に締め切られたが、14の恒星とそのまわりの31の惑星に提案された名前に対して、合計57万3242票があった。それぞれの惑星系で最高得票数を勝ち得た団体には、天文学への貢献を賞賛して記念の盾が贈られるとともに、太陽系内の小惑星に名前をつける権利も与えられる。
今回命名対象となった惑星系には、世界45カ国のさまざまな天文団体から274の名前が提案された。団体の中には、アマチュア天文団体、学校、大学、プラネタリウムなどが含まれている。
世界のさまざまな地域から提案された名前が採択され、北米(米国、カナダ)より4団体、中南米(メキシコ)から1団体、中東・アフリカ(モロッコ、シリア)より2団体、ヨーロッパ(フランス、イタリア、オランダ、スペイン、スイス)より6団体、アジア・太平洋地域(オーストラリア、日本、タイ)より6団体が惑星系の名付け親となった。
IAUでは、最高得票数を得た名前ひとつひとつを命名のガイドラインと照らし合わせ、必要に応じて適切な変更を行った後、全ての名前を承認した。これらの名前には、提案を行った団体も同意している。
しかし、キャンペーンの実行委員は慎重な審議の結果、うしかい座タウ星系における投票を無効にした。最高得票数を勝ち得た名前が、命名のガイドラインに従っていないと判断したため。この惑星系に関しては、将来名前を再公募する。
今回新しく採択された名前の語源は、さまざまな歴史や文化を反映した神話の登場人物、有名な科学者、架空の人物、古代都市や消滅した言語の言葉など、多岐にわたる。