東京~札幌間、北海道新幹線開業で日帰り可能に…来年3月ダイヤ改正

鉄道 企業動向
北海道新幹線新青森~新函館北斗間の開業で、東京~札幌間は鉄道による日帰りが可能になる。ただし札幌駅(写真)で滞在できる時間は3分しかない。
北海道新幹線新青森~新函館北斗間の開業で、東京~札幌間は鉄道による日帰りが可能になる。ただし札幌駅(写真)で滞在できる時間は3分しかない。 全 3 枚 拡大写真

JR北海道は12月18日、2016年3月26日に実施するダイヤ改正の概要を発表した。北海道新幹線新青森(青森県青森市)~新函館北斗(北海道北斗市)間148.8kmが開業し、同社の輸送体系が大きく変わる。東京~札幌間は、鉄道による日帰りが可能になる。

北海道新幹線の運行本数は1日13往復で、このうち10往復は、東京~新函館北斗間を直通する『はやぶさ』。仙台~新函館北斗間を結ぶ『はやぶさ』と、盛岡~新函館北斗間の『はやて』、新青森~新函館北斗間の『はやて』も、それぞれ1往復運行される。

東京~新函館北斗間の運行時刻は、東北新幹線を走る現在の『はやぶさ』のダイヤを基本に、新函館北斗駅まで延長する形になる。車両は10両編成で、JR北海道のH5系電車かJR東日本のE5系電車を使用。いずれも新函館北斗方の10号車が最上級車両のグランクラスになるが、東京発着以外の列車ではアテンダントによるサービスが省略される。

東京~新函館北斗間の平均所要時間は、下りが4時間17分、上りが4時間22分。最速列車は下りが東京8時20分発の『はやぶさ5号』と東京9時36分発の『はやぶさ11号』、上りが新函館北斗17時21分発の『はやぶさ34号』で、東京~新函館北斗間を4時間2分で結ぶ。最も遅い列車は、新函館北斗9時31分発の『はやぶさ16号』で、新函館北斗~東京間を4時間33分で結ぶ。

最速の『はやぶさ5・11号』『はやぶさ34号』は途中、大宮・仙台・盛岡・新青森の4駅のみ停車する。北海道新幹線内の奧津軽いまべつ駅に停車する列車は7往復、木古内駅に停車する列車は8往復となる。

初発列車は、下りが新青森6時32分発の新函館北斗行き『はやて91号』と東京6時32分発の新函館北斗行き『はやぶさ1号』、上りが新函館北斗6時35分発の東京行き『はやぶさ10号』。最終列車は下りが東京19時20分発の新函館北斗行き『はやぶさ33号』、上りが新函館北斗21時59分発の新青森行き『はやて100号』で、上りの東京行き最終は新函館北斗18時36分発の『はやぶさ38号』となる。

北海道新幹線の列車は現在の東北新幹線『はやぶさ』『はやて』と同様、全車指定席で運行されるが、新青森~新函館北斗間では、座席の指定がない特定特急券か立席特急券が発売される。また、北海道新幹線と在来線特急を新函館北斗駅で乗り継いで利用する場合は特急料金の乗継割引が適用される。

一方、新幹線の新函館北斗駅が併設される在来線(函館本線)の渡島大野駅は、ダイヤ改正に伴い「新函館北斗」に改称され、新幹線駅との一体化が図られる。同駅で接続する在来線では、函館~札幌間で運行されている特急『スーパー北斗』『北斗』が、今より3往復多い1日12往復に。全ての列車が新函館北斗駅に停車し、このうち11往復は北海道新幹線の列車との接続が図られる。新函館北斗~札幌間の所要時間は最短3時間11分。増発に伴い、『北斗』にはキハ261系気動車が導入される。

このほか、函館~新函館北斗間が電化され、同区間で電車によるアクセス列車『はこだてライナー』が1日16往復運行される。車両は3両編成の733系電車1000番台を使用。五稜郭駅のみ停車する快速列車と、途中各駅に停車する普通列車の2種類が設定され、快速は函館~新函館北斗間を最短15分で結ぶ。普通列車は最短19分で運行される。初発の時刻は新函館北斗6時54分発と函館6時01分発。最終列車は新函館北斗23時46分発と函館22時13分発となる。基本的には一部の列車を除いて新幹線の列車に接続する。

在来線への乗継ぎを含んだ所要時間は、東京~函館間が最短で4時間29分になり、現在より53分短縮される。東京~札幌間の最短所要時間は、現在より1時間23分短い7時間44分になる。

今回のダイヤ改正で、東京~札幌間は鉄道による日帰りが可能になる。ただし、東京から札幌に向かう場合、日帰りの乗継ぎパターンは東京6時32分発~札幌14時41分着・14時44分発~東京23時04分着。札幌駅に滞在できる時間は3分しかない。

一方、札幌から東京に向かう場合は、札幌6時00分発~東京14時04分着・15時20分発~札幌23時40分着で、東京駅での滞在時間は最大1時間16分。こちらも実用的とは言い難いものの、東京駅付近の散策程度なら可能なようだ。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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