【サウンドチューニング・マニュアル】タイムアライメント編パート1…その「目的」を解説する

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
「タイムアライメント」の設定画面(ダイヤトーンサウンドナビ・NR-MZ100PREMI)
「タイムアライメント」の設定画面(ダイヤトーンサウンドナビ・NR-MZ100PREMI) 全 1 枚 拡大写真

カーオーディオの醍醐味の1つである、“サウンドチューニング”についてのあれこれを解説している当連載。今月のテーマは「タイムアライメント」。今週はまず、この機能の「目的」から解説していく。

結論から入ろう。「タイムアライメント」とは、「理想的なリスニングポジションにいるかのような状況を、擬似的に作り出す」ための機能だ。

なぜこのような機能が必要なのかを解説していこう。そのためにまずは、“ステレオ”の原理についてご説明しておきたい。

“ステレオ”とは、音楽信号を左右のchにわけて録音し、それを左右2本のスピーカーで再生するシステムである。そうすることでリスナーは、音楽をリアルに、立体的に感じ取ることができる。

ただ、“ステレオ”の効果を最大限感じ取るためには、もう1つ重要な決まりごとがある。それは、「左右のスピーカーから等距離の場所にリスニングポジションを取る」というもの。これもまた、ステレオの原則の1つなのである。

しかし、クルマの中ではそうはいかない。右ハンドルのクルマなら、右のスピーカーが近くにあり、左のスピーカーが遠くにある。センターハンドルのクルマでない限り、左右のスピーカーから等距離の場所にリスニングポジションを取ることは不可能だ。

この状況に対処するためには、左右の音量バランスを整えることも1つの解決策として有効だ。しかし、そこには限界がある。なぜかというと、音が到達するタイミングのズレを修正できないからだ。左右のスピーカーの距離差が到達タイミングのズレを生む。そのズレが、ステレオイメージを崩してしまうのだ。

それに対処することを目指して開発されたのが、「タイムアライメント」という機能だ。近くのスピーカーが発する音に“遅延(ディレイ)”をかけて、リスナーがあたかも左右のスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出す、という次第なのだ。

機能の目的と仕組みは以上だ。次週はもう1歩踏み込んで、ハイエンド・カーオーディオにおける「タイムアライメント」について解説していく。次週もお読みいただけたら幸いだ。

【サウンドチューニング・マニュアル】「タイムアライメント」編 Part.1 その「目的」を解説する

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  5. BMW、カーボン素材を天然繊維複合素材に置き換え、量産車に採用へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る