インホイールモータ版 i-MiEV … 今後の課題は「重い後ろ足の挙動と航続距離」か

エコカー EV
東京・田町の三菱自動車工業本社で公開されたコンバートEV実証実験車「OVEC-TWO」(1月11日)
東京・田町の三菱自動車工業本社で公開されたコンバートEV実証実験車「OVEC-TWO」(1月11日) 全 12 枚 拡大写真

三菱自動車工業やおかやま次世代自動車技術研究開発センター(OVEC)などが共同で製作した、『i-MiEV』ベースの小型インホイールモータ車『OVEC-TWO』は、「従来のバッテリーで、高トルクで重いインホイールモータを回したさいの車両挙動、航続距離がカギ」という。

このOVEC-TWOは、i-MiEVの後部にあったインベータ、モータ、減速機やドライブシャフトなどをはずし、新たに運動制御ECU(DVCU)や専用インバータ、アウターロータ式ダイレクトドライブインホイールモータなどを装着したをコンバートEV。

その最大の特徴といわれるのが、戸田レーシングなどが開発にかかわった制御システムだ。リア左右のタイヤの駆動力・制動力を独立に制御する運動制御システム(DVCU)は、ドライバーのアクセル・ブレーキ・ハンドルといった操作情報と、速度・加速度・車輪速度などの挙動情報を集め、ドライバーの意図、車両状態などとあわせ、安全・快適な走行と省エネ運転を実現させるトルク指令をインバータに送る。

DVCUからのトルク指令を受けたインバータは、パワーモジュールを介してモーターに供給する電流をマイコンで制御する。担当者は、「今回のOVEC-TWOの走行実験などを経て、下り坂での違和感のない減速度制御や、旋回性を高めるアクティブヨーモーメント制御、悪路でもスムーズに発進できるようなトラクション制御などをさらに追求していく」と話していた。

1月11日に公開されたOVEC-TWOは、リア左右のインホイールモータそれぞれにひとつのインバータ(合計2基)が付いていた。「今後はこのインバータをひとつにし、さらに軽量化を図りたい。重たいインホイールモータをいかに軽くするかもカギ。従来より重くなった後ろ足による走りや挙動なども今後の試験でみていきたい」と担当者はいう。

OVECは、1月13日からのオートモーティブワールド2016(東京ビッグサイト)に出展。このOVEC-TWOや、インバータ1基による「電装品・シャシーのモジュール構造」などが展示されるという。

《レスポンス編集部》

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