天の川銀河の中で2番目に大きなブラックホール…慶応大などの研究チームが発見

宇宙 科学
中質量ブラックホールによる重力散乱で雲が加速される様子(イメージ図)
中質量ブラックホールによる重力散乱で雲が加速される様子(イメージ図) 全 2 枚 拡大写真

慶應義塾大学理工学部物理学科の岡朋治教授らの研究チームは、天の川銀河の中心領域にある特異分子雲中に太陽の10万倍の質量を持つブラックホールが潜んでいる痕跡を発見した。

【画像全2枚】

多くの銀河の中心に巨大ブラックホールがあることは最近の研究によって分かってきていたが、その形成・成長のメカニズムは解明されていない。

今回、岡教授らの研究チームは、天の川銀河の中心核巨大ブラックホール「いて座A*(エー・スター)」から約200光年離れた位置に発見された特異分子雲CO-0.40-0.22の詳細な電波を観測し、詳細な空間構造と運動を明らかにした。

これらの結果から、この特異分子雲の中心には、太陽の10万倍の質量を持つコンパクトな重力源があることが判明した。この重力源の位置に対応する天体は見られず、ブラックホールである可能性が高い。

これは天の川銀河では、中心核巨大ブラックホール「いて座A*」に次いで2番目に大きなブラックホール。これらは、太陽の数百倍~10万倍程度の「中質量ブラックホール」が合体を繰り返すことで中心核巨大ブラックホールが形成され、さらに成長していくというシナリオを支持する。

今回の研究成果は、米国の天体物理学専門誌「The Astrophysical Journal Letters」に掲載された。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

レスポンス公式TikTok

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 分割式で取り付け簡単、MAXWINの金属製スノーチェーン「K-TIR08」発売
  2. 「5速MTを残すのは漢」新型スズキ『ワゴンR』に反響続々! デザイン統一にも「思い切ったな」
  3. 三菱『デリカD:5』新型発売、価格は451万円から…SUVとミニバンが融合「三菱らしさ」武器に
  4. ペダル踏み間違えで発生した死亡事故、高齢の被告に実刑判決
  5. 日産、小型ミニバン『グラバイト』予告…2026年インド発売へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る