18日、東京・六本木で開催されている日本レース写真家協会(JRPA)による写真展「Competition」で、SUPER GTで活躍する脇阪寿一と山本尚貴が出演してのスペシャルトークショーが行われた。
今回は通常のドライバートークショーとは異なり、話題の中心はもちろん写真。「撮る側・撮られる側」をテーマに、今回はJRPA会員で脇阪を長年撮り続けている三橋仁明カメラマンと、山本を追い続けている吉田成信カメラマンも出演。普段は絶対に聞くことができない「撮った時、撮られた時」のそれぞれの心境を振り返るという特別な内容。
会場に用意された大型画面に両カメラマンが撮影した様々な瞬間が披露され、その時に両ドライバーがどんな心境だったのかを解説。また撮影したカメラマン2人もどんな思いでこの1枚が出来上がったのかなどの経緯を語ってくれた。
会場には事前申し込みの中から抽選で選ばれた40名が集まり、普段のトークショーでは聞けない写真に関する裏話に興味津々の様子だった。
長年撮る側と撮られる側の関係でいる両ドライバーとカメラマンなのだが、やはりコンビが違うと撮影して写真が出来上がるまでのスタイルも異なるとのこと。
例えば山本は「僕たちは撮られるのも仕事の一部なので、吉田さんが撮ってるなって分かると、自分が動かないようにするとかも意識するようにはしています。もちろん、レース前で集中はしていますがカメラマンさんの撮りづらくならないようにというのは心がけています。ここだけは吉田さんとのあ・うんの呼吸ですね」と語る。ヘルメットをかぶる瞬間や、マシンに乗り込む瞬間など躍動感がある写真も、そういったところから生まれるという。
一方の脇阪は「撮られている時は意識したり気を遣ったりすることはありますが、三橋カメラマンに対しては逆に撮らせないようにしたりします。山本選手とは逆でよく動くし、たまに冗談で“撮るな!”みたいに手で払いのけたりすることもあるんですが、それも別の意味の手として写真で仕上げてくれますね。お互いに撮る・撮られるを楽しんでいるような感じですね」とのこと。その状況下で三橋カメラマンも、どうやって撮っていくかを楽しむような関係で、山本たちとはまた違ったコンビネーションから、様々な作品が生まれるのだという。
最後に集まった参加者に対して脇阪は「カメラマンの皆さんの写真があるからこそ、サーキットに来た人以外の方々の目に止まって、色んな人に僕たちの事を知ってもらえるので、カメラマンの皆さんには本当に感謝しています」と挨拶。山本も「カメラマンさんは色んな思いを込めて写真を撮っているので、今までとは違った視点で、新聞や雑誌の紙面、また写真展などで出てくる写真を見ていただければなと思います」と述べた。
なお、この写真展は六本木のAxis Galleryで13日から始まり、19日で終了となる。