【スバル フォレスター 試乗】走りの質感向上は歓迎するが、安全装備の設定には不満…松下宏

試乗記 国産車
スバル フォレスター
スバル フォレスター 全 12 枚 拡大写真

『フォレスター』といえば、かつてはステーションワゴンに由来するSUVという独自のポジションを持つクルマだった。モデルを重ねるごとに全高や最低地上高が高くなり、今ではスバル車で最も高い全高と最低地上高を持つ典型的なSUVモデルになっている。

現行モデルは2012年にデビューした後、毎年改良を重ねて現在に至っているが、2015年秋の改良は大幅なもので、内外装のデザイン変更や走りの質感向上、装備の充実化などが図られた。

外観デザインはフロントのバンパーやグリルが変更され、よりSUVらしい力強さを表現したものになった。リアや内装などは小幅な変更だ。

走らせて感じたのは静粛性の向上だ。これまでのフォレスターには特に静かなクルマという印象はなかったが、今回の改良でグンと静かなクルマという印象になった。室内で穏やかに話ができる感じである。

乗り心地や操縦安定性も向上した。前後ともショックアブソーバーの減衰力やバネ定数などを変更するなど、様々な改良を加えることで、快適な乗り心地と優れた操縦安定性を両立させている。ステアリングフィールの向上も含め、マイナーチェンジで走りの質感向上をきっちり仕上げるのがスバルらしいところだ。

安全装備の充実化では、EyeSight(アイサイト)を最新のVer.3にしてアクティブレーンキープを追加するなど、機能を進化させている。

残念なのは、この期に及んでまだ、アイサイトすら全車標準ではなく、後方警戒支援システムなどを含めたアドバンスド・セーフティ・パッケージに至っては、標準装備されるのが最上級グレードだけであることだ。

スバルのアイサイトは性能や機能、価格などで他社をリードするものであるのに、それを装着できないグレードなどを設けていたのでは、安全に対して後ろ向きという印象を与えてしまう。今すぐ全車標準にするか、標準装備にできないグレードは廃止にしたら良い。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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