JAXA、フィリピン政府産初となる小型衛星を受領…「きぼう」から放出

宇宙 企業動向
左:DIWATA-1 右:J-SSOD 50kg級用衛星搭載ケース
左:DIWATA-1 右:J-SSOD 50kg級用衛星搭載ケース 全 3 枚 拡大写真

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、フィリピン政府国産初となる50kg級超小型衛星「DIWATA-1」を受領したと発表した。今春、国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられる予定。

JAXAでは、フィリピン科学技術省・フィリピン大学、北海道大学、東北大学が開発した、50kg級超小型衛星「DIWATA-1」を受領した。

ISS「きぼう」日本実験棟からJAXAの衛星放出機構(J-SSOD)によって放出される50kg級の超小型衛星として初となるもの。フィリピン政府が衛星開発や打ち上げの資金を負担し、「きぼう」からの放出については、JAXAと東北大学との間で有償利用契約が締結されている。

打ち上げ前の最終確認を終えたDIWATA-1は、衛星搭載ケースに収納され、筑波宇宙センターから米国に向けて出荷された。今後、米国到着後、DIWATA-1はNASA(米航空宇宙局)に引き渡され、3月以降、ISSに向けて米国の商業宇宙船で打ち上げられ、5月頃までに「きぼう」から放出される計画。

DIWATA-1は、フィリピンの技術者が関わって開発し、フィリピン政府が所有する初めての超小型衛星となる。衛星は、フィリピン科学技術省が開発するとともに、打ち上げ資金も負担し、衛星バス部を東北大学が、センサーなどのペイロード部を北海道大学がそれぞれ開発を支援した。地球観測と気候変動のモニタリング、人材育成が目的。人材育成としてフィリピンからの留学生・研究員を東北大学と北海道大学が受け入れ、DIWATA-1を日本国内において、日本とフィリピンが共同で開発した。

DIWATA-1ミッションでは、フィリピンの国家事業に、日本が、「きぼう」利用で貢献する。日本国内では、両大学がハードウェアの開発に加えて、大学ならではの特徴を生かして人材育成として共に開発・利用協力してきた。さらに、JAXAはアジア地域唯一のISS参加国としてフィリピンの科学技術政策発展の一端を担って宇宙での実証機会を提供する。

2016年のAPRSAF(アジア・太平洋宇宙機関会議)は、フィリピンで開催される。フィリピンでは、これを機に宇宙機関の創設に向けて準備を進めている。

《レスポンス編集部》

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