ヤマハのスノーモビル、国内総需要は年間600 - 800台…北米、欧州、ロシアで人気

モーターサイクル 企業動向
ヤマハ発動機はタングラム斑尾(長野県)にて、スノーモビルの試乗会を開催。
ヤマハ発動機はタングラム斑尾(長野県)にて、スノーモビルの試乗会を開催。 全 9 枚 拡大写真

ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)が総合リゾート施設であるタングラム斑尾(長野県)にて、スノーモビルの試乗会を開催した。

1968年に『SL350』を発売して以来、ヤマハは国内唯一のスノーモビルメーカーで、現在では3機種の4ストロークモデルと、1機種の2ストロークモデルを国内向きにラインナップしている。

ヤマハによると、スノーモビルの世界の総需要は、アメリカがトップで40%、カナダが35.2%と、北米2か国だけで大半を占める。次いでロシアが13.1%、欧州が11%となっており、その他の地域はわずか0.1%にしか過ぎないという。

市場の傾向はアメリカの場合、ほぼすべてがレジャー市場。スノーモビルが楽しめるようトレイルシステムが整備されており、レースも盛んにおこなわれている。カナダもレジャーが中心だが、ユーティリティモデルや2人乗りモデルの需要も大きい総合市場だ。

ロシアは未開の荒野をレジャー&業務で走行するような使われ方をしていて、頑丈なユーティリティモデルが8割を占める。

欧州もカナダと似た総合市場だが、ユーティリティモデルや2人乗りモデルを家族で使用する成熟市場と言える。

国内総需要は年間600~800台で推移し、レジャー、林間管理などが主な目的。7割は業務用で、スキー場やホテル/ペンション、農林水産業、営林署などが用いている。

スポーツ/レジャーとしての需要は3割程度で、ヤマハの分析によると、ツーリングユースは30~55歳が最多層。平均年齢39歳、アウトドア志向の人が楽しんでいるの対し、競技層は15~35歳で、平均22歳。モータースポーツ好きの会社員らが趣味として満喫している。

2014年度のヤマハ出荷台数は2万1000台で、構成比はロシアが42.7%とダントツ。カナダ21.3%、アメリカ18.7%、欧州16.5%となっている。

なお、1986年には女優でありながら「地球のてっぺんに立ちたい」という和泉雅子さんの北極遠征にヤマハが協力。62日間、約800kmを走破しての北極点到達に、ヤマハのスノーモビルが大きく貢献した。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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