【JNCC 第1戦】2強敗れる、ルーキー斉木達也がデビュー勝利

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
【JNCC 第1戦】2強敗れる、ルーキー斉木達也がデビュー勝利
【JNCC 第1戦】2強敗れる、ルーキー斉木達也がデビュー勝利 全 7 枚 拡大写真

日本最大級のクロスカントリーレース「JNCC」シリーズが2月28日に開幕。2年ぶりとなった熊本大会は、阿蘇山の観光牧場周辺一帯をコースとしたもので、景観および走りごたえともに、日本随一の大会として知られている。

この時期の阿蘇は、朝晩は氷点下を下回り、さらに雨や雪が降りやすい季節であるにも関わらず当日は好天。朝の内は霜のおりた路面が相当にスリッピーでライダーたちも苦しめられたが、午後の上級者クラスでは走りやすいものに。

これまでJNCCは、昨年チャンピオンである渡辺学(YAMAHA)と鈴木健二(YAMAHA)がツートップでこの2強が崩されたことはほとんど無かったが、今季からアメリカGNCCへ参戦していた小池田猛(KTM)が凱旋、また昨年セカンドクラスながら渡辺・鈴木を脅かす走りをしていた斉木達也(KTM)が特別昇格。また、斉木はそれまでのプライベーターの体制から、KTMと山梨のコースXPKがタッグを組んで創設したKTM XPK Racingのトップライダーとして参戦することとなり注目を集めていた。

また、このトップクラスのマネージメントに呼応して、鈴木はマシンをYZ125としてカテゴリーチェンジ、AA2に参戦している。

レースは、石戸谷蓮(KTM)のホールショットで幕開け。渡辺は大きく出遅れるものの、小池田・斉木がバトルに。鈴木は小排気量車ながら、このバトルをフォローしつづける形。

渡辺は、持ち前のスピードで出遅れつつもぐいぐいと順位を上げ、斉木をプッシュ&パス、小池田に追いつくが、まもなくクラッシュ。小池田・斉木のバトルは、おおよそ斉木が先行する形だったが、小池田も相当な余裕を残してロックオンし続けているような形。事実、残り5周程度といった後半に入った時点で小池田が斉木をパス、一気に引き離しにかかる。

斉木も食い下がるものの、次第にその距離が開いていき、小池田の圧倒的な実力を観客が思いし知らされたその刹那、小池田のリアタイヤに悲鳴。ムースというチューブのかわりに入れるスポンジが破断し、走行不能になってしまったのだった。大きなマメを手のひらに作りながら、満身創痍で最後までサバイブした斉木が、見事にデビュー戦を勝利で飾ることに。

斉木は「小池田さんと学(渡辺)さんが速いのはわかっていたし、いきなり勝てるとは思ってませんでしたよね。KTMのスタッフのみなさんには、レース前から毎週練習やマシンセットアップにつきあっていただいて、しっかりと体勢を整えることができました。これで勝てなかったら恩返しもできないですし、本当に勝ててよかった」と安堵の表情。

渡辺は「シーズンでチャンピオンを狙うには、最低2位に入ることが必要だと昨年学びました。昨年は1位か2位しかとっていないのに、最終戦までチャンピオンを決められませんでしたから。今日は流れも悪かったし、2位であれば許容範囲かなと」とのこと。

総合の3位には鈴木が入り、AA1カテゴリーの3位には、昨年休場の多かった小林雅裕(Honda)が入賞。

今シーズンのJNCCはツートップではなく、斉木、小池田、渡辺、そしてカテゴリーを落としながらも淡々と3人を落としにかかる鈴木と、役者がそろった形。早くも第2戦大阪大会が楽しみだ。

《稲垣 正倫》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ダイハツ滋賀・大分工場、部品供給不足で稼働休止…7月8-11日
  2. トランプ関税に「ジタバタしない」姿勢のトヨタも、米国市場で7月1日から値上げ[新聞ウォッチ]
  3. 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』が日本導入…6月の新型車ランキング
  4. 「クラシックmini」がレストモッドで蘇る! 限定生産で約1490万円から
  5. クーペSUVに進化! アルファロメオ『ステルヴィオ』次期型を完全プレビュー
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る