アウディ2015年次報告…世界販売過去最高更新もディーゼル関連費用で営業減益

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アウディ 2015年次報告会見
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アウディが3月3日に発表した2015年暦年のグループ業績は、米国やドイツを始めとする西欧での好調な販売を背景に売上高は過去最高を更新したものの、一連のディーゼル不正問題に関連する費用計上で営業利益は前期比6.1%の減益となった。

アウディの財務担当役員を務めるアクセル・シュトロートベック氏は同日、ドイツ・インゴルシュタットにある本社で開いた年次会見で「売上高は前期比8.6%増の580億ユーロと新記録を達成した。その主たる要因は販売台数の良好な伸びと為替変動による好影響があげられる。SUVモデルを始め、新型『A6』シリーズ、『A3』ファミリーに対する需要は特に良好だった。二輪車ではドゥカティブランドが7億200万ユーロと過去最高の売上高を記録した」と述べた。

2015年のアウディブランドの販売台数は前期比3.6%増の180万3246台と過去最高となった。最大市場の中国で1.4%減、また日本でも6.4%減と前年を下回ったものの、ドイツで5.7%増、米国11.1%増、英国5.0%増、フランス同5.2%増と米国と西欧が全体を押し上げた。

一方、営業利益は同6.1%減の48億4000万ユーロだった。これは「ディーゼル問題に関連する特別負担項目として2億2800万ユーロを計上した。この中には技術ソリューションのための費用、法的リスク、そして顧客や販売に対して講ずる措置などが含まれる」ことや「質的な成長のために集中的な投資を行った」ことによるもの。

しかしシュトロートベック氏は「将来のテーマのために多額の投資を行っている時期であるにも関わらず売上高営業利益率は我々の戦略的目標レンジである8~10%に納める形で達成した。特別影響額を除いたベースでは8.8%、特別影響額調整後でさえも8.3%となった」と総括した。

2016年の見通しについては「世界全体の自動車市場は多少成長する程度だろう。しかし多くの新しいモデルと世代交代によってアウディブランドは2016年も全体市場よりも良い発展を遂げるとみている。従ってアウディブランドには穏やかな成長を見込んでいる。営業利益率は再び戦略的目標レンジを達成すべく努力する。投資利益率は16~18%の間を見込んでいる。また2016年もさらなる成長のために30億ユーロ以上の設備投資を計画している」と述べた。

《取材協力》
アウディジャパン

《小松哲也》

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