アイサイトでどこまで自動運転ができるか…2020年スバルのオートパイロット

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テストコース上での自動の車線変更
テストコース上での自動の車線変更 全 9 枚 拡大写真

スバルの運転支援システム、そして自動運転のロードマップについて、7日に開催された「スバルグローバルプラットフォーム」の記者発表会の中でスライドとともにプレゼンテーションがあった。発表したのは、執行役員 スバル技術本部 副本部長 大拔哲雄氏。

【画像全9枚】

スバルでは、自動車事故ゼロを究極の目標として、クルマの技術開発を進めている。現在同社のクルマのアクティブセーフティ、安全運転支援の要となっているのがアイサイトだ。アイサイトはステレオカメラの画像認識技術をベースとした運転支援システム。現在バージョン3まで進化し、交通事故総合分析センターのデータからは、同一車種でアイサイト搭載車両の事故率は、非搭載車より61%も低下したことも確認されている(スバル調べ)。また、日本のJNCAPをはじめ北米、EUなどの予防安全アセスメントでも高い評価を得ている。

この中でスバルが強調しているのが、(バージョンは機能の多少の違いはあるが)普通乗用車8車種中7車種の車種にアイサイトが搭載可能であること。なにより、実環境下でも高い実効性をしめしていることだ。アイサイトはステレオカメラの画像情報のみで対象との距離、状況判断などを行ってブレーキアシストやレーンキープなどを制御しているが、ガードレールや木などがあるコース(NCAPの試験コースではない)で60km/hまで衝突回避(距離と対象物が判別)ができるという。ミリ波レーダーだけのシステム、ミリ波レーダーとステレオカメラの組み合わせでは出せない性能だという(大拔氏)。

また、クリープ発進や渋滞時の低速走行時にはうまく機能しないこともあるミリ波レーダーや組み合わせ方式のシステムだが、アイサイトは1km/hの走行でも機能するそうだ。

必然的にさらなるクルマの安全性向上と自動運転実現のための要素技術としても期待がかかる。スバルでは「2017年には高速道路限定で同一車線をキープするトラフィック・ジャム・アシスト機能を実用化したい(大拔氏)」とする。これは、現状のレーンキープ機能に加え、低速走行(0km/h~65km/h)でも前車、車線を認識して追従走行を可能にするものだ。しかも、基本はアイサイトのみで実現させる予定で、実現すればすぐに多くの車種への展開が期待できる。

さらに2020年には高速道路において車線変更を含めた自動運転機能の実用化を目指している。テストコース上で前方に遅い車が走っており、右車線には速い車が迫っている状態で、右車線の車をやり過ごしてから、前方の車を追い越す実験の動画がデモされた。このときドライバーは手を放している状態だ。

配布資料では、どちらの自動運転技術も「レベル2」(加減速、操舵をシステムが行うが、人間の操作が伴うことが前提での制御・介入)としているが、2020年のものはレベル3(人間の操作でオーバーライドできる状態で、システムが運転を行う)に相当するものといえる。

なお、2020年に実用化を目指している自動運転は、アイサイトに加え、GPS、地図情報、レーダー情報なども利用する必要があるとしているが、ミニマムな構成でリーズナブルな価格で提供する計画だという。

今後の方向としては、交差点での出合い頭、横断歩行者・横断自転車との衝突をさける技術も開発していく予定だ。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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