【F1 オーストラリアGP】赤旗中断、トラブル続出…波乱の開幕戦はロズベルグが制する

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波乱の開幕戦を制したニコ・ロズベルグ
波乱の開幕戦を制したニコ・ロズベルグ 全 18 枚 拡大写真

2016年のF1開幕戦オーストラリアGPの決勝レースが20日、オーストラリア・メルボルンにあるアルバート・パークサーキットで行われ、ニコ・ロズベルグ(メルセデス)が優勝を飾った。

前日の予選ではメルセデス勢が昨年同様の速さをみせルイス・ハミルトンがポールポジション。僚友ロズベルグも2番手につけた。決勝レースは今年から変わったレギュレーションが、より混戦と波乱を呼ぶ展開となった。

今年からチームとの無線コミュニケーション内容が厳しく制限され、スタートもドライバーの力が試されるものに。ハミルトンが大きく出遅れ7番手に後退。2列目スタートだったセバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネンのフェラーリ勢が好ダッシュをみせ1・2番手を奪い、ロズベルグが3番手に続く展開。戦前の予想とは異なりフェラーリ勢が先行する序盤戦となった。

メルセデス勢は、すぐに戦略で対応。ロズベルグは12周目にピットインしソフトタイヤに交換。フェラーリ勢2台との差を詰めていき16周目にライコネンの逆転をに成功。2番手に浮上した。一方、ハミルトンはピットストップ回数を減らすべく1回目のピットストップから一番硬く今週末はまだ誰も使用していなかったミディアムタイヤを装着。レース終盤での逆転を目指した。

その直後に大きなアクシデントが発生。17周目の3コーナーでエステバン・グティエレス(ハース)とフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)が接触。アロンソは高速のままウォールに激突し横転。マシンは原型を留めないほどのインパクトだったが、幸い2人とも自力でマシンから脱出し大きな怪我はなかった。

これによりセーフティカーが導入されるが、コース上に大量の破片が散乱したため赤旗が出され約25分にわたって中断。19周目からセーフティカー先導で再開された。

この間、全車ピットレーンで待機していたが、中断中にタイヤの交換は認められており、ロズベルグはハミルトン同様ミディアムタイヤに交換し、このまま最後まで走り切る作戦。ベッテルとライコネンのフェラーリ勢は1回目のピットストップ同様スーパーソフトを選択。硬めのミディアムタイヤを選んでペースが落ちるのを避け、逃げる作戦に出た。しかし結果的に耐久性に乏しいスーパーソフトで十分にリードを広げることができない。さらに22周目にはライコネンがトラブルでピットイン。一瞬エンジンルームから炎が上がりすぐに消し止められるが、今週末は調子が良かっただけに痛いリタイアとなってしまった。

何とかトップを守っていたベッテルだが32周目にピットインしソフトタイヤへ交換。これでロズベルグがトップに浮上。42周目にはハミルトンも2位に浮上しメルセデスがこのレースで初めてワンツー体制を築く。ピットストップで一時後退したベッテルも終盤3番手に浮上し、残り10周を切ったところでハミルトンの背後に迫る。追い抜くためにさらに間合いを詰めようとしたが、残り2周の最終コーナー手前でバランスを崩しコースオフ。千載一遇のチャンスを逃してしまった。

結局、レース中盤以降はミディアムタイヤで堅実な走りをみせたロズベルグが8秒の差をつけトップチェッカー。昨年のメキシコGPから数えて4連勝をマーク。通算勝利数を15に伸ばした。2位にはハミルトン、3位にはベッテルが入り、終わってみれば昨年表彰台でよく見た3人が2016年開幕戦のトップ3に入った。

また新規チームのハースが開幕戦から大活躍。ロマン・グロージャンが6位入賞を果たす快挙。マクラーレン・ホンダはアロンソの離脱以降、バトンが粘り強く走ったもののレースペースが思うように上がらず苦戦。1周遅れの14位でチェッカーを受けた。

2016F1オーストラリアGP 決勝結果
1.ニコ・ロズベルグ(メルセデス)
2.ルイス・ハミルトン(メルセデス)
3.セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
4.ダニエル・リチャルド(レッドブル)
5.フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)
6.ロマン・グロージャン(ハース)
7.ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)
8.バルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)
9.カルロス・サインツJr(トロ・ロッソ)
10.マックス・フェルスタッペン(トロ・ロッソ)


14.ジェンソン・バトン(マクラーレン)
リタイア.フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)

《吉田 知弘》

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