バンコクモーターショー16のスバルブースではマレーシアでノックダウン(KD:Knock Down=現地組み立て)生産されタイへ輸入し販売される『フォレスター』がお披露目された。
グレードは自然吸気エンジンを搭載した「2.0i」と上級仕様の「2.0i-P」。これまでもタイで販売されていたターボエンジンを搭載した「2.0XT」は、従来同様に日本からの完成車輸出となる。
ホイールの組み合わせが異なるほか、ノックダウン生産車はベーシックグレードでも革シートが備わり、右ハンドルでもウインカーレバーが左側に装着され(タイの日本車は世界的に見ると例外的に右側にウインカーレバーが装着されるのが一般的)、また速度計は自然吸気車で240km/h、ターボ車は260km/hまで刻まれているのが日本仕様との主な違いだ。そして日本では標準装備となるターボ車も含めて、アイサイトが非装着というのも大きな違いである。
スバル車のタイ仕様はこれまで日本で生産されたものが導入されていたので高い関税がかかり、現地生産の日本車に比べると大幅に価格が高く、限られた人だけが購入できる存在だった。
今回のフォレスターは日本から関税なしで自動車部品を輸出できるマレーシアで最終組付けがおこなわれ、マレーシアとのASEAN物品貿易協定により関税なしでタイへ輸入できる。そのおかげで日本から輸出するターボモデル「XT」が229万バーツ(750万円程度)するのに対し、マレーシア製は現地生産車に近い価格設定(「2.0i」が139万8000バーツ(約450万円)、「2.0i-P」が149万8000バーツ(約490万円))となり、価格競争力は大幅に高まったといえるだろう。
タイでの輸入・販売は現地の代理店モーターイメージ社が担当。生産はマレーシアの自動車大手タンチョングループの工場で、マレーシア国内、タイそしてインドネシア向けに年間1万台程度を計画している。