26日、SUPER GT公式テスト開催中の富士スピードウェイで、今季GT300クラスに新型「アウディR8 LMS」で参戦する2チームの体制発表が行なわれた。
昨今、世界のGTレースシーンではGT3という車両規定に基づいてつくられたマシンが主役の座を占めている。GT300クラスもそのひとつといえ、今年はドイツやイタリアから新型GT3マシンが大挙上陸というシーズンにもなっているが、そのなかでアウディも新しいR8 LMSを日本導入、今年は2チームがこのマシンで参戦する。
ひとつは、昨季までもアウディで参戦していたお馴染みの存在、Audi Team Hitotsuyama(#21)だ。ドライバーもリチャード・ライアン(英国出身)&藤井誠暢(とものぶ)で不動だが、今年はタイヤをダンロップに履きかえての参戦となる。
#21 藤井誠暢のコメント
「シャシー剛性が上がって、しかも軽くなったことは、レーシングカーにとってすごく有利な材料ですし、新型R8は既に海外で大きな24時間レースを3つも勝つなどしてきています。このポテンシャルの高いマシンで、今季はチャンピオンを狙っていきたいと思います」。
富士テスト初日のこの日、#21 アウディは午前が7番手、午後が9番手というベストタイム順位。これは、同じダンロップタイヤを履く他の強豪チームと似たような順位となっている。アウディ ジャパンと本国アウディ スポーツからの支援は今季、パーツ供給の面などで一層の充実が図られるとのことであり(もう1チームに対しても同様)、さらにはGT500でも鳴らした佐藤真治エンジニアが加入するなど、#21 アウディ陣営は様々な面で戦力アップ。チャンピオン獲得を狙っていく構えだ。
もう1チームは、Audi Team Braille(#86)。こちらはヨコハマタイヤを履き、加藤正将(まさのぶ)&ピエール・カッファー(ドイツ出身)というドライバーコンビでの参戦となる。
#86 加藤正将のコメント
「新チーム立ち上げというかたちですが、我々のチームは大きな武器を2つも手に入れることができました。ひとつはアウディR8 LMSという素晴らしいマシン。そしてもうひとつは、アウディとともに世界の耐久レースで多くの実績を残してきたドライバーであるピエール(カッファー)です。初戦から優勝を狙っていきたいと思います」。
なお、今回の富士テストには#86は未登場。日本のレースには今季が初の本格参戦となるカッファーは、別のマシン(#87 ランボルギーニ・ウラカンGT3)に乗り組み、コース習熟に努めるなどしている。
メルセデス、BMW、そしてポルシェといった同胞ドイツメーカーをはじめ、ランボルギーニやフェラーリというスーパーカーブランドからも新型GT3マシンが登場する今季のGT300。一層の激戦となることが予想されるなか、2台のアウディR8 LMSがどんなパフォーマンスを発揮するのか、楽しみなところだ。