寝台特急『北斗星』客車、道南いさりび鉄道沿線で保存の動き…クラウドファンディング開始

鉄道 行政
苗穂工場で保管されている元『北斗星』客車のオハネフ25 2。クラウドファンディングで目標額に達した場合、北斗市内に移送して保存する。
苗穂工場で保管されている元『北斗星』客車のオハネフ25 2。クラウドファンディングで目標額に達した場合、北斗市内に移送して保存する。 全 3 枚 拡大写真

JR北海道の元『北斗星』用客車2両を保存する動きが再び出ている。北海道北斗市の商工会青年部有志により結成された「北斗の星に願いをプロジェクト推進委員会」が、インターネット募金(クラウドファンディング)を活用して保存のための募金活動を始めた。

『北斗星』は1988年3月から運行を開始した、上野(東京都台東区)~札幌(札幌市北区)間の寝台特急。一人用A個室寝台「ロイヤル」やロビーカー、食堂車などを連結し、豪華な寝台列車として人気を集めた。しかし、北海道新幹線の開業準備に伴い廃止されることになり、2015年3月のダイヤ改正で臨時列車化。同年8月には臨時列車としての運行も終了した。

JR北海道の苗穂工場(札幌市東区)には、元『北斗星』用客車のうち、ロビー室と1人用B個室寝台を設けたスハネ25形(スハネ25 501)と、開放式B寝台車のオハネフ25形(オハネフ25 2)の2両が保管されており、2015年9月に開催された苗穂工場のイベントで展示・公開された。一時、北海道倶知安町の旅行会社がこの2両を保存する動きを見せていたが、諸般の事情から白紙に戻っていた。

推進委は、かつて『北斗星』が走行していた江差線(現在の道南いさりび鉄道線)の沿線に『北斗星』の客車を保存し、北斗市における観光の新たな目玉とすることで地域の活性化を目指す。設置場所は北斗市立茂辺地中学校跡地のグラウンドが予定されているが、苗穂工場からの移送費が1000万円程度かかるため、この額をクラウドファンディングにより集めることになった。

移送する車両はオハネフ25 2を予定しているが、1300万円まで集まった場合はスハネ25 501も移送する。設置後は、カフェや物販・宿泊施設として活用することで維持費を賄うという。

JR北海道からは譲渡の内諾を得ているが、4月中に移送しなければ解体すると伝えられているため、クラウドファンディングの締切は4月27日としている。クレジットカード決済により最低5000円、最高100万円を受け付けるが、郵送による募金にも対応する。目標額に達しなかった場合は、クレジットカード決済は行われない。郵送の場合は返金される。クラウドファンディングの申込みはウェブサイトの「READYFOR?」で受け付けている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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