【VW ゴルフGTI 6MT 試乗】選択肢が広がったことに意味がある…青山尚暉

試乗記 輸入車
VW ゴルフGTI
VW ゴルフGTI 全 7 枚 拡大写真

ジェントルな大人のホットハッチ、ハッチバックとスポーツカーを両立させた『ゴルフGTI』の6MTモデルに試乗した。

【画像全7枚】

見た目はDSGモデルとなんら変わらない。パワースペック、225/45R17サイズの標準タイヤも同様だ。JC08モード燃費がDSGの15.9km/リットルから16.0km/リットルになるぐらい。

価格はDSGの10万円安。実はそれ、すべてミッション代の差ではない。装備面でパドルシフト、アダプティブクルーズコントロールの全車速追従機能が省かれているからだ。

さらに、なぜかパノラマサンルーフ、パワーシート&シートヒーターも6MTモデルでは選択不可となっている。

それはともかく、6速DSGだって基本、6MTであり、それを2ペダルで乗れるのだから、あえて3ペダルの6MTで乗る意味はあるのか? と思う人もいるだろう。

スポーツシートの運転席に乗り込めば、インパネなどの眺めはDSGモデルと変わるはずもなく、しかし例によってゴルフボールデザインのリバースが左上にあるシフター、クラッチペダルの存在がほぼ唯一の6MTらしさ。

エンジンをスタートさせるにはDSGと違いクラッチを踏む必要があるが、GTIの6MTに構えて挑むと、その踏力は拍子抜けするほど軽い。足腰の筋力が衰え始めた、元スポーツカー乗りのオヤジでも、これなら大丈夫。間違いなく。

DSGモデルとエンジンスペックは同じだが、やっぱりMTで引き出すパワー感は微妙に違う。もともと、ゴルフ用の4気筒エンジンは、ゴルフハイライン用1.4リットルターボでもトルキーすぎるほどだが、この2リットルターボ、220ps、35.7kgmとなると、もう出足から高速域までの全域で、どこで踏んでもめくるめくパワー、トルクを存分に引き出せる感覚がより強いのだ。

そして今回試乗した箱根の山道では、コクッと快感と呼べるタッチでシフトできる6MTの素晴らしさに感心し、思わず意味もなくシフトをくり返してしまったほどだが、例えば3速に入れっぱなしでブレーキング、再加速…という芸当も難なくこなす。フレキシビリティの塊、というのでしょうか。乗り心地も洗練され、実に大人だ。

もちろん、歴代GTIのMTに乗り続けてきた人、大人になって今一度マニュアルに乗りたい、そう決心している人にとって最高の実用的スポーツモデルであることは間違いない。クラッチの軽さ、ミートのしやすさによって、渋滞路でもそれほど苦にならないはずである。

ただ、DSGの出来の良さ、おそらく実燃費では逆転しそうな制御の賢さからすれば、一般的には先に触れた装備類の充実度もあり、DSGモデルを薦めたくなるのも本当だ。車重は両モデル1390kgと変わらず、6ATと6MTの違いではないですから。

ちなみにゴルフのMTスポーツモデルとして280ps、539万円!!の「R」もあるけれど、公道ではGTIでもパフォーマンスは十分すぎる、というのが個人的な考え方だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《青山尚暉》

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