【ジャガー XF ディーゼル 試乗】今までにない乗り味には良いところも悪いところも…諸星陽一

試乗記 輸入車
ジャガー XF 20dプレステージ
ジャガー XF 20dプレステージ 全 12 枚 拡大写真

ジャガーにはEセグメントのセダンが2種存在する。1種は『XE』、もう1種が2015年9月にフルモデルチェンジされた『XF』だ。

XFはXEと『XJ』のあいだに位置するモデルだが、XEとのデザイン上の相似点が非常に多い。XEとの見分け方としてはサイドから見た際にXFはリヤにクォーターウインドウを持つ6ライトウインドウとなっている点、ヘッドライトの内側がXEが上側が広がっているのに対しXFは外側広がりとなっているなど。ボディサイズはXEと比べると、ホイールベースで125mm、全長で85mm、全幅で30mm、全高で40mmほど大きい。

新しいXFに搭載されるディーゼルターボエンジンは、2リットルの4気筒で最高出力は180馬力、最大トルクは430Nmとなる。排ガスのクリーン化はアドブルー(尿素水)を使ったタイプとなる。低速からしっかりトルクを発生するディーゼルらしいトルクフィールを持ったエンジンだが、振動は若干大きめ。中低速で走っているとディーゼルの弱点が目立ってしまう。

ミッションは8速のATが組み合わされる。100Km/h走行時のエンジン回転数は1400回転、80km/hだと1150回転となる。100km/hで走っている際はエンジンの振動もほとんど感じることなく、快適なクルージングが可能だ。エンジン回転が1500回転から2500回転付近の力感が非常にいい。アクセルをグッと踏み込むと、クルマを力強く加速して行く。この感覚はガソリンエンジンでは得られないもので、ジャガーの新しい乗り味とも言える。ただし、市街地走行時の中低速では振動、騒音ともに気になるレベルだ。

足まわりは固めでしっかりとしている。ロードフォールディング重視のセッティングで、ハンドリングについてもかなり敏感だ。コーナーではしっかりとしていて良好なのだが、高速道路などではちょっと敏感過ぎるところが気になる。レーンキープアシストを使っていると、この敏感な足まわりが一瞬「ビクッ」とさせられることがある。

アイドリングストップはしっかりときめ細かく行われる。高速道路を中心とした距離約80km走行時の燃費(車載燃費計)は20.0km/リットルと良好だ。今やジャガーも燃費(使う量ではなく、燃料費用)を気にして乗る時代となった…ということなのだろうけど、ジャガーってそういうことを気にして乗るようなクルマなのかな? もし気にするなら別の選択肢があるのでは? と思ってしまうのもまた事実だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. トヨタの顧客は1億5000万台…バリューチェーンで財務基盤強化
  5. BMW、カーボン素材を天然繊維複合素材に置き換え、量産車に採用へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る