トヨタ自動車と8月に同社の完全子会社になるダイハツ工業は4月12日、排気量1リットルのコンパクト車『パッソ』と『ブーン』を約6年ぶりに全面改良して発売した。
この姉妹モデルは2004年投入の初代から両社が共同開発していたが、今回、ダイハツが主体的に企画や開発を進め、トヨタにOEM(相手先ブランド生産)供給する方式とした。ダイハツは8月にトヨタの完全子会社として再出発し、小型車分野や新興諸国の市場開拓などを担っていく。
パッソとブーンの今回の全面改良は、完全子会社化決定以前から進めてきたプロジェクト。ダイハツの開発部門を担当する上田亨上級執行役員は「OEMでダイハツに任せていただいたという点では、(完全子会社化による)これからの位置付けと同じ」と、結果的に8月の新体制を試行する形になったとの見方を示した。
ダイハツはトヨタとの連携強化を前に、4月1日付で新たな開発や調達、生産体制を推進する「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)ユニット」を発足させた。上田氏はここで製品企画などを仕切るが、DNGAでは「単なる(製品の)ハード面の進化だけでなく、トヨタさんと連携しながら仕事の進め方の改革も進めたい」と言う。また、トヨタグループでは「機種(=モデル)単独というより、小型車分野やグローバルでの事業としての貢献を図りたい」と、新体制に向けた意欲を示した。