ブリヂストン、「疲れ」を徹底的に研究したPlayz PX…先進安全技術公開イベント

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Playz PXを装着したプリウス
Playz PXを装着したプリウス 全 16 枚 拡大写真

ブリヂストンは、4月上旬、同社プルービンググラウンド(栃木県那須塩原市)にて、「春の安全イノベまつり」と名付けた技術情報公開を開催した。

ここでは先日フルモデルチェンジされた疲れないタイヤ「Playz(プレイズ)PX」とその開発に用いた「感性アナライザ」についての情報をお届けする。Playz PXは「疲れにくいという安全性能」を追求、高いライフ性能と低燃費性能を両立することを目的に開発されたタイヤだ。

ブリヂストンでは疲れの原因となるのは無意識に行う細かなハンドル修正であるということに注目。直進維持のための修正舵の減少、旋回時の舵角の減少、レーンチェンジ時の修正舵の減少を目指して開発を行った。ここでは実際に試乗した印象をおとどけする。

試乗車として用意されたのは新型『プリウス』。Playz PXはセダン・クーペ用のPX、ミニバン用のPX-RV、軽・コンパクト用のPX-Cの3種が用意されている。プリウスに装着されたのはセダン・クーペ用のPXで、サイズは195/65R15。比較用としては「NEXTRY(ネクストリー)」の同サイズを履いたプリウスが用意された。試乗コースは50km/hでのダブルレーンチェンジから60~70km/hでのコーナリング(徐々に回転半径とコース幅が絞られる設定)、その後40km/h程度が限界のスラロームという設定。

まず第一に感じたのはパターンノイズレベルがまるで異なること。NEXTRYに対してPlayz PXは1から2レベル静かな印象であった。じつは疲れという面には走行ノイズもかなり大きな影響を与える。修正舵については60~70km/hでのコーナリングが一番よくわかった。旋回Gギリギリで走っている際、路面の乱れやちょっとした速度の変化で修正舵を求められるが、そのレベルはPlayz PXのほうが低く、少ない修正舵でクルマを安定させて走らせることができる。

また、Playz PXについて感じたのはセルフアライニングトルクが大きいと言う点。セルフアライニングトルクとは、コーナリング状態からステアリングの保持をやめるとタイヤが直進状態に戻ろうとする力のこと。セルフアライニングトルクが大きいこともステアリングの安定感に大きく寄与しているようだ。今回は試乗コースが短かく、コーナーリング中心の試乗だったので、いつか機会を作ってしっかり高速試乗などを行ってみたい。

さて、ブリヂストンはこのPlayz PXの開発にあたり「疲れ」の可視化を目指した。そのために採用されたのが慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科の満倉靖恵准教授が開発した「感性アナライザー」という機器。「感性アナライザー」は脳波を用いた感性把握装置だが、病院で行うような脳波計測のように数多くの電極を取り付けるのではなく、細いヘッドセットのような装置を取り付けるだけで計測できるようになっている。

「感性アナライザー」では集中度、眠気度、好き度、興味度、ストレス度の感性取得が可能だが、このなかで疲れの可視化に用いられたのはストレス度。疲れはストレスの蓄積によって起きるので、ストレス度を計測することで疲れの度合いを測った。

テストはブリヂストンのテストコースで行われた。被験者は男性20歳代~50歳代のドライバーで、感性アナライザを装着し、脳波を取得。 従来品(ECOPIA EX20)と、Playz PXの2種類のタイヤを装着した車両でパイロンを設置したコースを5周ずつ走行。タイヤの銘柄は隠して試乗するブラインドテストで行われ、各タイヤでの走行時脳波を取得。運転による感性指標の比較を行った結果、明かにPlayz PXのストレスが少なく、疲れないタイヤであることが証明されたという。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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