マツダ ロードスター RF に見るデザイナーとエンジニアの“野心”

自動車 ニューモデル モーターショー
マツダ ロードスター RF(ニューヨークモータショー16)
マツダ ロードスター RF(ニューヨークモータショー16) 全 8 枚 拡大写真

2016年のニューヨークモーターショーに足を運んだ理由のひとつが、マツダが『MX-5(日本名:ロードスター)』に追加設定を予定する、リトラクタブル・ハードトップ(RHT)仕様の世界初公開だった。

リトラクタブル・ファストバックを意味する、「RF」のタイトルを掲げたこのニューモデルには、いかにも現在のマツダを象徴するかのような、デザイナーやエンジニアの野心が十分に感じられた。

先代のNC型ロードスターにも、RHTモデルはシリーズ途中で追加されているが、今回のRFは、それとはまったく異なるコンセプトで誕生したモデルであるのが興味深い。最もシンプルに説明するのならば、前作はソフトトップモデルと同じデザインをRHTで実現したものであるのに対して、この新作はまったく異なるデザイン、そして個性を、RHTを使うことで実現することを目的としている。その逆転的な発想が生まれ、そして具現化されてしまうところに、マツダの面白さがある。

実際に見たRFは、実に個性的なエクステリアデザインを持つモデルだった。オープン時にもリアのファストバックはそのまま残されるから、はたしてオープンエアでの爽快感をどこまで感じることができるのかは分からないが、オープンとクローズの両スタイルで変わらないデザインを提供すること、そしてオープン時には、コンパクトなルーフの部分のみをキャビン後方のスペースに格納することで、マツダが現行ロードスターでストイックなまでに拘った、荷重移動に対してのネガティブな影響を最小限に抑えたことも、エンジニアリング面では見逃せないポイントだ。

搭載エンジンは、1.5リットルと2リットルの直列4気筒が用意されるというが、日本で販売されるロードスターには、2Lの「SKYACTIV-G2.0」が選択されるという。ミッションは6速MTと6速ATのチョイスが可能。トルクフルな2Lエンジンとの組み合わせならば、6速ATというチョイスも悪くはないようにも思う。シャシーにももちろん、専用チューニングが施されるというから、こちらも期待したいところだ。

よりラグジュアリーなドライブフィールをロードスターに求めるカスタマーにとって、このRFはまさにベストなチョイスとなるだろう。もしも自分自身がこのRFを手にしたとするのならば、どのようなライフスタイルを楽しんでみたいと思うだろうか。ニューモデルの発表を見て、ここまで楽しい想像に胸を躍らせることができるクルマは珍しい。誰よりも早くその姿を見るため、ニューヨークの地を訪れたのは、やはり正しい選択だった。

《山崎 元裕》

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