【スーパーフォーミュラ 第1戦】“F1スター”の2人が開幕戦で明暗…バンドーン表彰台、可夢偉16位

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SFデビュー戦で3位表彰台を獲得した#41 バンドーン。
SFデビュー戦で3位表彰台を獲得した#41 バンドーン。 全 8 枚 拡大写真

24日に決勝レースが行なわれた、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)開幕戦鈴鹿。2人の“F1スター”は、新人ストフェル・バンドーンが3位表彰台を獲得する一方、2年目の小林可夢偉はまさかの16位と明暗を分けた。

SFがF1やインディカーと比肩され得る世界3大フォーミュラの一角に育ちつつあるとはいえ、やはりF1が世界のモータースポーツシーンの中心軸である現実は動かない。そして、そこで実績を残した選手がSFでも人気面で突出する、これもまた間違いのない現象であり、F1で最高3位という日本人選手ベストタイ記録をもつ可夢偉が昨季からSFに参戦を開始すると、パドックは毎戦、可夢偉フィーバーに包まれた。

そして今年、可夢偉フィーバー健在なところへさらなるF1スターがやって来た。昨季GP2王者で、F1マクラーレン・ホンダのリザーブも務めるバンドーンである。

先のバーレーンGPでF.アロンソを代打するかたちでF1デビューを飾り、10位入賞。これがなければ、バンドーンは今回のSF開幕戦時点ではF1の実戦実績を有していなかったわけだが、F1最有力候補生という評価と看板もアピール力は抜群。このオフのSFテストでも彼の人気は可夢偉に次ぐポジションにあったと言って過言ではなく、既に立派なF1スターだった。

そのふたりが今季開幕戦では明暗を分けた。まず“明”は、#41 バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)。

大物選手の早期脱落が相次いだ予選で4位につけ、決勝でもスタートで3番手に上がると、バンドーンはそのまま3位でゴールして表彰台に上がった。ヨコハマタイヤ初戦ということで、SFでの実績派が高次元でのとまどいを見せたりもするなか、むしろ新人であることが幸いした面もあったかもしれないが、このハイレベルな戦いにおける初陣3位は間違いなく快挙。他チームのエンジニアのひとりは、「同じようにここで最初から結果を出したA.ロッテラーやL.デュバルのような高い水準にある選手だということ」と、バンドーンを讃える。看板だけの存在などではなかったのだ。

バンドーンのコメント
「いいレースウィークになりました。オフのテストではアップダウンがありましたが、高いレベルのフィールドで戦うことを目標に、チームが素晴らしい仕事をしてくれたと思います。予選でQ1、Q2、Q3とニュータイヤでアタックしていった時のグリップ感覚がとても新鮮で、すごくエンジョイできました。

鈴鹿は抜くのが難しいコースなので、予選で上位につけることが大切でしたが、4番グリッドを獲得でき、決勝ではいいスタートが切れました。国本さん(2位の#2 国本雄資 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)を抜こうとプッシュしましたが、彼もミスをしなかったですね。でも、いいシーズンのスタートとなって嬉しいです」。

おそらくSFは1年で卒業するのだろうが、今後の戦いが楽しみなバンドーンだ。

一方、#8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)にとっては残念な開幕戦になってしまった。初年度の昨季に予選、決勝で何度もトップ3に入る速さと強さを見せた可夢偉だが、2年目の初戦は彼の力がリザルトに結びつかない展開に終始。

予選Q3では「2~3位にはなれましたね」というポテンシャルがありながら、最良のアタックタイミングでコースオフを喫して8位どまり。それでも表彰台獲得に向けて前向きなところも充分にあったのだが、決勝ではピットストップ時に右後輪がしっかり装着されていないというトラブルに遭ってしまう。

丸々1周のスロー走行を強いられながらも、しっかりピット帰還を果たしたのはさすが可夢偉。だが勝負権を完全に失い、最終結果は2周遅れの16位に(完走最下位)。まさかの開幕戦となった実力者が多いなか、可夢偉もそのひとりになってしまった。

ただ、次戦岡山に向けては持ち前の“冷静なポジティブさ”を見せる。「岡山は去年2位でしたし、この前のテストでも良かったので、自信はそこそこあります。クルマには戦える力があると思うので、あとはチームと一丸になって結果をまとめたいですね。優勝を目指してしっかり戦えば勝てると思います」。

バンドーンのさらなる躍進、そして可夢偉の逆襲。どちらも楽しみなSF第2戦は5月28~29日、岡山国際サーキットで開催される。

《遠藤俊幸》

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