【INDYCAR 第4戦】終盤の激闘に打ち勝ち、パジェノー2連勝…初日好調だった琢磨は決勝13位

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2連勝を飾った#22 パジェノー陣営。
2連勝を飾った#22 パジェノー陣営。 全 8 枚 拡大写真

インディカー・シリーズの今季第4戦決勝が現地24日、米アラバマ州のロードコース「バーバー・モータースポーツパーク」で行なわれ、シモン・パジェノーが前戦に続く2連勝を果たした。初日トップタイムだった佐藤琢磨は決勝13位。

走行初日(22日)はホンダ勢優位に思われた「Honda Grand Prix of Alabama」。しかし翌日の予選ではシボレー勢がトップ5独占と局面が変わり、初日トップタイムだった琢磨(#14 AJ.Foyt Racing/ホンダ)も温度変化の大きさに悩まされたのか16位に終わる。ポールポジションは前戦優勝のパジェノー(#22 Team Penske/シボレー)が獲得した。

スタートの前後でこそ混乱はいくつか生じたが、今回も先週の第3戦ロングビーチ市街地同様、レースは比較的平穏度の高い展開となっていく。しかし終盤、90周のレースが残り10周を切ってから、接触劇も含む迫真のトップ攻防が繰り広げられた。

その主役はパジェノーと、予選でホンダ勢トップ(6位)だったグレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing)。先頭パジェノーをレイホールが抜きにかかった時、パジェノーの右リヤとレイホールの左フロントが接触し、パジェノーが一旦コース外へ弾かれる格好になってレイホールがトップを奪う(両者とも大きなマシン損傷はなかった模様)。

だが、パジェノーはトップ奪還をあきらめなかった。すると周回遅れを処理する際に3台が接近状態となって、首位レイホールが周回遅れと接触、今度はフロントウイングを明確に壊す。これで勝負あった。パジェノーが再びトップに立つと、手負いのレイホールに反撃する力は残っていなかった。

「マシンは素晴らしく、快適にドライブできた。最後はかなりエキサイティングな展開になったね。コースを外された時には、『よし、何としてもトップを取り戻すぞ』と決意したよ」と語るパジェノーは2連勝。しかも開幕戦から4戦連続2位以内という高値安定感で、ポイントリーダーの座をさらに確固たるものにしている。

2位はレイホールで決勝でもホンダ勢トップ。3~5位にはシボレー勢のジョセフ・ニューガーデン(#21 Ed Carpenter Racing)、ウィル・パワー(#12 Team Penske)、ファン・パブロ・モントーヤ(#2 Team Penske)が並び、6位にホンダ勢2番手のジェームズ・ヒンチクリフ(#5 Schmidt Peterson Motorsports)が入った。

琢磨は決勝13位。初日、トップタイムの好発進ながらも「タイムがすごく僅差。どうなるかは分からない」と語っていたが、あまりよくない意味でその通りになってしまったようだ。決勝では序盤の混乱のなかでコースアウトを喫するシーンもあった。

佐藤琢磨のコメント
「予選の前からセッティングがわるくなってしまいましたけど、決勝でのマシンは2種類のタイヤ両方で安定したラップタイムを出せるものになっていました。スタート時、すぐ目の前で混乱があり、それをくぐり抜けてポジションを上げることができたのですが、ターン2でアウト側の汚れた部分にタイヤが乗ってラインを外れたことで、一度抜いた相手たちに先行を許すかたちになってしまいましたね。

今日はそこからポジションを取り戻していく戦いでした。クルーたちのピットストップは今回も素晴らしかったです。しかし、狙っていただけのポジションアップは果たせませんでした。13位は悔しい結果ですが、次のグランプリ・オブ・インディアナポリスに、また全力で臨みます」。

5月、インディカー・シリーズは聖地インディアナポリス・モータースピードウェイに戦いの場を移す。第5戦はインディアナポリスのロードコースを使った「インディGP」(現地5月14日決勝)、そして第6戦は伝統のビッグオーバルで戦われるアメリカ最大のレース「第100回インディ500」(同29日決勝)である。

シリーズが最高に盛り上がる季節。琢磨と彼の陣営には、インディGP、そして第100回という記念すべき節目のインディ500に向け、着実かつ急速なパフォーマンスアップを期待したい。

《遠藤俊幸》

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