西武鉄道、東武に先駆けSL列車を「運転」…5月28・29日

鉄道 企業動向
秩父鉄道のSL列車『パレオエクスプレス』。5月の2日間に限り、臨時SL列車として西武鉄道の西武秩父駅に乗り入れる。
秩父鉄道のSL列車『パレオエクスプレス』。5月の2日間に限り、臨時SL列車として西武鉄道の西武秩父駅に乗り入れる。 全 2 枚 拡大写真

西武鉄道と秩父鉄道の2社は4月27日、西武秩父線の西武秩父駅(埼玉県秩父市)を発車して、秩父鉄道の三峰口駅に向かう臨時SL列車を運転すると発表した。運転日は5月28・29日の2日間。SL列車に連絡する臨時列車も池袋~西武秩父間で運転される。

2社の発表によると、臨時SL列車は11時29分頃、西武秩父駅に入線。同駅を12時19分に発車して三峰口駅には12時50分に到着する。復路は三峰口駅を14時03分に発車するが、西武秩父駅には入らず秩父鉄道の秩父駅(14時33分着)まで運転される。車両は秩父鉄道のSL列車『パレオエクスプレス』のC58形蒸気機関車(C58 363)と客車を使用する。

臨時SL列車に連絡する西武鉄道の臨時列車は、池袋9時25分発~保谷9時43分発~西武11時15分着の時刻で運転される。車両は特急レッドアローで使用している10000系電車が使われる。

乗車・参加に際しては、5月10日から池袋・大泉学園・所沢各駅で発売される「臨時SL列車イベント 参加チケット」が必要。発売額は5400円(大人・子供同額)で、池袋・保谷~西武秩父間の臨時列車と西武秩父~三峰口~秩父間の臨時SL列車に乗車できるほか、臨時SL列車の車内で弁当とお茶が配られる。発売数は1日300枚限定。

秩父市内の鉄道路線は、秩父鉄道が大正期から昭和初期にかけて開業。戦後の1969年10月には西武鉄道が西武秩父線を開業したが、西武秩父線の終点・西武秩父駅は秩父鉄道の御花畑駅から南南西に約200m離れた秩父鉄道の線路脇に設置。西武鉄道と秩父鉄道の線路は接続されなかった。

その後、西武秩父駅の南側に、秩父鉄道の三峰口方と熊谷方につながる渡り線を整備。1989年4月から、西武鉄道の列車が秩父鉄道に乗り入れるようになった。今回の臨時SL列車も、渡り線を使って西武秩父駅に乗り入れさせるもので、往路の運転区間(約12km)のうち150mほど西武の線路を走ることになる。

西武鉄道は1957年まで新宿線の一部で蒸気機関車を運転していたほか、遊園地前~ユネスコ村間(現在は西武遊園地~西武球場前間)を結ぶ軽便鉄道だった山口線でも、現在の新交通システムが導入される直前の1984年まで蒸気機関車を運転していた。同社は「(山口線を除く)本線系統の駅から蒸気機関車が出発するのは約60年ぶり」としている。

現在の大手私鉄は蒸気機関車を運転しておらず、東武鉄道が2017年夏をめどに鬼怒川線でSL列車を運転する計画を立てているが、西武秩父発の臨時SL列車はこれに先駆けて大手私鉄の線路を走ることになる。

《草町義和》

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