【ホンダ クラリティ FC】積極的に電力を蓄える特性、“燃費”は ミライ 上回るか

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ホンダ クラリティフューエルセル
ホンダ クラリティフューエルセル 全 16 枚 拡大写真

ホンダが3月10日にリリースした燃料電池車『クラリティ フューエルセル(FC)』を1時間あまりという短い時間ながらテストドライブする機会があったのでリポートする。

【画像全16枚】

クラリティFCはトヨタの燃料電池車『MIRAI(ミライ)』と同様、燃料電池スタック1基と車載バッテリーから取り出す電力を混合してクルマを走らせる、燃料電池ハイブリッドカーだが、パワートレインのキャラクターを見ると、両者の間には結構な違いがある。ミライがFCスタック出力114kW(155ps)、電気モータ出力113kW(154ps)と発電側と消費側がほぼ拮抗しているのに対し、クラリティFCはFCスタック出力が103kW(140ps)にとどまるのに対し、電気モーター出力は130kW(177ps)もある。

ホンダのエンジニアは「燃料電池が高い熱効率を発揮できる低・中負荷領域運転時に積極的にバッテリーに電力を蓄え、スロットル開度が大きくなったときに燃料電池のロードを抑える」と、制御に関するポリシーを説明する。バッテリーを積極利用すれば、燃料電池の高負荷運転時間を減らすことができる一方、充放電のロスが発生するというデメリットもある。トヨタのエンジニアは、燃料電池の応答性の高さを生かしてFCスタックの電力をなるべく直接利用すると語っていた。内燃機関のハイブリッドに例えると両者ともシリーズ・パラレルハイブリッドだが、ホンダがシリーズ寄り、トヨタがパラレル寄りというキャラクターだ。

そのクラリティFCを実際にオンロードで走らせた際、燃費について観察してみた。試乗当日、起点となった埼玉・ホンダ和光ビル界隈の市街路は混雑気味。その状況下では、平均燃費計は水素1kgあたり100km前後で推移した。積極的に電力を車載電池に蓄えるというエンジニアの説明通り、信号停止時も発電で水素が消費され、平均燃費計の数値も下がっていく。信号が青になってクルマの走行距離が伸びると、その数値がすーっと伸びていくといったイメージだ。すいた道路であれば、燃費値はこれよりずっと良いものになりそうだった。

外環道和光インターチェンジから高速に入り、首都高速さいたま新都心で折り返した。加速時はもちろん燃費が落ちるが、巡航状態になると瞬間燃費計の数値は一気に上昇し、フルスケールの160km/kgに張り付くくらいであった。首都高速戸田出口から一般道に流出した時点では、平均燃費計の数値は132km/kgに上昇していた。その後、国道298号線経由で10kmほど走行して起点に戻った時の平均燃費計の数値は124km/kgであった。

同じ条件で走ったわけではないが、走行実感としてはミライに比べて実燃費は優越しているように感じられた。もっとも、航続距離と燃料搭載量から逆算したJC08モード燃費は両モデルとも約150km/kgと差はない。機会があれば、両モデルを同じコースで並走して比べてみたいと思った次第だった。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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