北海道・深名線の廃駅舎、保存のため別の廃駅舎を活用へ…ネット募金で資金調達

鉄道 行政
北海道ちほく高原鉄道時代の上利別駅(2003年頃)。昨秋の暴風雨被害が引き金となり、解体が決まった。
北海道ちほく高原鉄道時代の上利別駅(2003年頃)。昨秋の暴風雨被害が引き金となり、解体が決まった。 全 2 枚 拡大写真

1995年9月に廃止され、現在は市民団体が保存活動を展開している深名線の沼牛駅舎(北海道幌加内町)で、北海道ちほく高原鉄道の廃駅・上利別駅舎(北海道足寄町)の部材が再活用されることになった。

上利別駅は、北海道ちほく高原鉄道が運営していた、ふるさと銀河線の駅。1910年、国鉄網走線(後の池北線)の駅として開業し、1935年に改築された。その後、池北線の運営はJR北海道を経て第三セクターの北海道ちほく高原鉄道に移り、2006年4月に廃止。上利別駅は改築時の木造駅舎が廃止後も残り、足寄町の有志によって維持されてきた。

しかし、2015年秋の暴風雨で損傷し、維持・修繕には多額の費用が見込まれることから、今年6月までに解体されることが決定。これを受け、沼牛駅舎の保存活動に取り組んでいる「おかえり沼牛駅実行委員会」は、上利別駅舎の部材を沼牛駅舎の修繕部材として再活用する「北海道 木造駅舎保存プロジェクト」を立ち上げた。

同会は「道内に現存する木造駅舎の想い出や姿をなんらかの形でつむいでいくことができないか」という思いから、上利別駅舎を管理する足寄町と協議を重ね、部材を譲り受けることになったという。沼牛駅舎も築80年以上で老朽化が進んでおり、部材調達は維持・保存の上の懸案になっていた。

5月下旬に上利別駅舎から部材を搬出し、9月から10月にかけて沼牛駅舎の修繕・修復工事を実施。降雪前の10月頃、修復した駅舎を公開する予定だ。修復に際しては6月から8月にかけ、インターネット募金(クラウドファンディング)による資金調達を呼びかける。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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