【北京モーターショー16】観致汽車、新技術エンジンとEVコンセプトを公開

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観致汽車(QOROS)の試作エンジンとQAMFREE 3コンセプト(北京モーターショー16)
観致汽車(QOROS)の試作エンジンとQAMFREE 3コンセプト(北京モーターショー16) 全 24 枚 拡大写真

奇瑞汽車とイスラエル・コーポレーションによる合弁で設立された観致汽車(QOROS)。今回は「QamFree」と呼ぶ新技術搭載エンジンと、それを載せたコンセプトカー『QAMFREE 3』を公開した。

ブースの主役となったのは、ヘッドカバーに「QAMFREE」と書かれたエンジンと、それを『3ハッチバック』に搭載したコンセプトカー。このエンジンは「フリーバルブ技術」を搭載。特徴はカムシャフトとスロットルボディを持たず「PHEA」で吸排気バルブを制御するということだ。PHEAとは「ニューマチック/ハイドロリック/エレクトリック・アクチュエーター」の略で、空気圧と油圧、そして電気の力でバルブを開閉する仕組みを持つ。

この技術を開発したのは、スポーツカーメーカーのケーニグセグが2000年に設立したエンジン技術開発会社、フリーバルブAB。同社は以前から、このシステムをさまざまな自動車メーカーに提供する意向を示していた。初の採用例として公開された今回のエンジンは「QOROSの、カムを持たないエンジン」という意味を込めて「QamFree」と名づけられている。

カムを持たないことの利点は、出力向上と低燃費、低排出ガスの実現。そしてエンジンの体積と重量を低減できること。エンジン回転数に縛られることなく、プログラム制御でバルブ開閉のタイミングやリフト量を自在に制御できる。しかも複雑な部品に頼ることなく各シリンダーを個別に制御できることで、気筒休止も含めてエンジン効率を最大限に高めることができるとしている。

フリーバルブAB によれば、排気量1.6リットルならば通常エンジンと比べて燃費を15パーセント低減できるという。またターボのブローオフバルブが不要になることで、いっそうターボラグを減らしてスロットルレスポンスを向上させるいう。「従来のカムシャフト方式は、ピアニストがすべての鍵盤を同時に叩いていたようなもの。しかしそれぞれの指で個別に打鍵できれば、精緻な表現をアーティストにもたらします」とのことだ。

プレゼンテーションにはケーニグセグCEOのクリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏も登場。フリーバルブ技術の利点をアピールした。ただし観致汽車の市販モデルに搭載する時期については明かさず「試作車でのテストを続ける」とだけ語っている。

また奇瑞汽車はQAMFREE3のほか、市販モデルをベースにしたEVコンセプトの『3Q・LECTRIQ』と『5Q・LECTRIC』、そしてスマートでクレジットカード決済も可能な急速充電器のコンセプトモデルを公開。

『3セダン』をベースにした 3Q・LECTRIQは350kmの航続距離と162km/hの最高速度を達成し、1時間で80パーセントの充電が可能。2016年末に先行量産モデルをリリースし、17年から本格生産するという。5Q・LECTRICは、ベースとなる『5 SUV』が15年末の広州モーターショーでデビューしたばかりということで、市場投入予定はまだ発表されていない。

《古庄 速人》

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