日産自動車は5月12日、2016年3月期の連結決算と今期(17年3月期)の業績予想を発表した。今期は円高の影響などにより営業利益は前期比11%減の7100億円と、3期ぶりの減益を見込んだ。
今期の世界販売は3%増の560万台と、11年3月期から7期連続となる過去最高を計画している。北米が3%増の207万台と堅調な販売を持続するのをはじめ、全地域での増加をめざす。為替は1ドル105円、1ユーロ120円を前提にしており、営業損益段階で2550億円の減益要因になる。純利益は0.2%増の5250億円と、小幅ながら4期連続の増益を見込む。
16年3月期は北米販売の伸びなどにより、営業利益は前期比35%増の7933億円だった。純利益は15%増の5238億円と06年3月期以来10期ぶりの過去最高になった。
カルロス・ゴーン社長は「15年度は為替変動の逆風にも拘らず、確かな成長を確保した。16年度は中期計画“日産パワー88”の高い目標に向けて進むが、不安定な市場環境や為替を踏まえて慎重な見通しにした」と述べた。