マイクロEVベンチャー rimOnO が初のプロトタイプを公開

自動車 ニューモデル モビリティ
左端が根津孝太氏、左から2人目が伊藤慎介代表
左端が根津孝太氏、左から2人目が伊藤慎介代表 全 20 枚 拡大写真

rimOnO(リモノ)は20日、マイクロEVコミューターのプロトタイプを東京・表参道のワイス・ワイスで発表した。『コンセプト01』は布製ボディやバーハンドルを採用し、既存の「超小型モビリティ」の枠組みに留まらない、ユニークなコンセプトの「小型でスローな乗り物」だ。

リモノは経済産業省出身の伊藤慎介氏と、znug design(ツナグデザイン)代表の根津孝太氏が手を組み、2014年に設立したベンチャー企業。社名は「のりものからNoをなくす」という意図を込めたもの。そして初のプロトタイプは「誰もが安心して乗れる乗り物」をめざし、作り上げられている。

便宜上『プロトタイプ01』と名づけられた車両の特徴は、なんといってもファブリックを採用した柔らかいボディを持っているということだ。実際の車体は金属と樹脂で構成されているが、その表面全体にはウレタン材をテント用ファブリックでくるんだクッションが貼り付けられている。

クッションはベルクロで車体にくっついているため簡単に取り外すことができ、着せ替えを楽しむことも可能。車体の設計はドリームスデザインが手がけ、ウレタン材やウィンドウなどの樹脂素材は三井化学、ファブリックは帝人フロンティアが提供。

また走行音はローランドがリモノ専用サウンドをデザインしている。この4社がリモノの「開発パートナー」として名を連ねているほか、クッションボディの縫製はビー・クラフトが担当した。

プロトタイプは大人2人、あるいは大人1人に子供2人が乗車可能。寸法は全長2.2x全幅1.0x全高1.3m。後輪にインホイールモーターを採用することでキャビン空間を確保し、2人乗車を実現している。重量は320kgだが、構造の見直しや樹脂素材のさらなる活用で200kg以下を目指しているという。航続距離は50km(目標値)。

運転操作がステアリングではなくバーハンドルなのは「自転車に乗り馴れている人でも容易に運転できるため」という理由。ブレーキも自転車と同様のレバー式だが、スクーターにあるような補助フットブレーキを追加することも検討中とか。

ちなみに最高速度は45km/hを想定しているが、これは欧州のマイクロカー規格で「L6e」というカテゴリーの数値。このほかのL6eの基準は定員2名、エンジンの場合は排気量50cc以下、出力4kW以下。電動の場合は連続定格出力が4kWh以下。原付免許を所有していれば運転が可能で、自動車免許は不要。

伊藤代表は、この欧州基準をベースにした「日本版L6e制度」の導入を要望している。それは既存の自動車とは異なった、簡便で便利な低速4輪車が日本にも必要だという思いによるものだ。

柔らかい布製ボディスキンは「人との距離」を縮めるために採用したものでもある。路地や生活道路、あるいは店先、軒先などで歩行者や地域住民と共存できるモビリティであることの表現でもあるわけだ。

この新しい乗り物の将来計画については、既存のミニカー規格に準拠した1人乗りモデルを開発し、2017年夏ごろの市販化を目指すと伊藤代表。補助金を除けば100万円程度の価格で、50台ほどの販売を想定しているとのこと。この場合、運転には普通自動車免許が必要となる。

また2人乗りモデルは実証実験での運用を目指し、現在いくつかの自治体と話し合いを進めているところだという。

《古庄 速人》

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