【NEW環境展16】ゴミ収集車もデザインで勝負…モリタの新ブランド戦略

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モリタの小型プレス式塵芥収集車プレスマスター
モリタの小型プレス式塵芥収集車プレスマスター 全 16 枚 拡大写真

街を走る「ゴミ収集車」が変わる…24日より東京ビッグサイトで開幕した「NEW環境展」では、「ゴミ収集車」の展示が目を引く。メーカー各社は、機能性や環境性能を目玉に新型車を並べたが、その中でもとりわけ異彩を放つのがモリタエコノスが公開した2台『パックマスター』と『プレスマスター』だ。近未来的なデザインを武器に、「モリタブランド」色を打ち出す。

消防車のシェアでは世界トップブランドのモリタだが、収集車の国内シェアは約18%。「何とか20%を超えて行きたい」とする同社が打ち出したのは、先進的なデザインだ。デザインにこだわったのには理由がある。2台のデザインを手がけた同社デザイナー近藤晃一氏は語る。「他社がモデルチェンジやマイナーチェンジをしていく中、モリタとしては20年くらい同じデザインで売っていた。目新しさが欲しいという要望もあり、約2年前から新しいデザインへの取り組みを始めました」。

その取り組みを市販車に反映し、発売されたのが回転式塵芥収集車のパックマスターだ。テールランプや「作業中」を表示する電飾を高い位置に配し独自デザインに仕上げると同時に、周囲からの視認性を向上させた。電装系を一か所にまとめることで断線などのリスクも低減できるという。またボディサイド後端には「回転式」であることが見て取れるよう「つ」の字のようなエッジをデザイン。さらにボディ下端をブラックアウトし低重心を意識させるなど、乗用車的なアプローチも盛り込んだ。

そして今回が初披露となった小型プレス式塵芥収集車のプレスマスターも、テールランプをハイマウント化するデザインは共通にしながらも「プレス式らしさ」をデザインで表現したという。「ボディサイドに大きな2本のリブ(張り出し)を水平にデザインしています。これはプレス式であること、そしてその力強さを表現したものです。またプレス式は構造上、リアに行くにしたがって(屋根が)下がるデザインになってしまうのですが、サイドをまっすぐに、さらに後ろのラインを跳ね上げることでテールランプとの一体感も持たせながら、目新しさを実現しています」(近藤氏)。

ほかにも、圧縮能力など塵芥収集車としての基本性能の向上はもちろん、消防車に採用されているシャッターハンドルによって、女性でも片手での開閉を可能としたり、開口部の下端を低くするなど、安全性や使い勝手も徹底的に追求した。

こうした業務用の架装車の場合、車両部分は導入業者によって様々で、さらに塗装やカスタマイズなどが施されるため、機能性以外の部分では独自色を打ち出しづらい。が、2台に共通する特徴であるハイマウントのテールランプは「通常の丸形ランプなどにも合うよう、ブラックアウト化」しており、この部分を中心に「ひと目で(モリタ)エコノスの車だ、とわかってもらえるようなアイデンティティにしていきたい」(近藤氏)と話した。

運輸業界を中心に、若手ドライバーの不足が問題視されている。雇用条件だけでなく免許制度の課題(現在普通免許では4tトラックを運転することができない、など)もあり、一筋縄でいかないのが現状だ。だが、「カッコいいトラック」を見た若い人たちが興味を持ってもらうひとつにきっかけになれば、と新型収集車に期待をこめる。

「モリタは販売から修理まで、社員が全て直で担当させてもらっています。販売代理店さんなどとの協力はもちろんですが、全て一貫してモリタがやる。それがモリタの強みだと思っています」(木下良平取締役)。テールランプに込めたモリタのアイデンティティが街を埋め尽くす日は来るか。シェア拡大への意思は固い。

《宮崎壮人》

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