【トヨタ パッソ 試乗】振動やこもり音を気にしない人にはイイのかもしれないけど…岩貞るみこ

試乗記 国産車
トヨタ パッソ
トヨタ パッソ 全 10 枚 拡大写真

パワーソースは、敢えての★2つ。これは本当に切実な願いで、改良していただきたいゆえの厳しい評価なのである。トヨタ『パッソ』は、振動が大きい。それもこのクルマが一番、使われるであろう40km/hあたりで。原因は、燃費向上のため。燃費を上げようとすると、CVTの機構の関係で、どうしても振動が大きくなるのだとか。

いやいやいや。確かに燃費も捨てがたいけれど、ユーザー大切にするのならまず乗り心地でしょ。不快なクルマ、作っちゃだめでしょ。このクラスのクルマたちってば、燃費合戦になるあまりに、40km/h前後で速度を一定に保って走ろうとすると、振動やらこもり音やらでひどい状態の大合戦になっている。どこかに、誠意のある人はいないのか?

パッソの場合、先代が登場したときに感じられたこもり音は激減している。ないに等しい。ここは、相当ボディ等々でがんばった跡が伺える。そこまでできるなら、あと一押し、振動を抑えていただきたい。ハンドルにまでぶるぶるくるこの感覚はつらい。それもこれも、くっだらないエコカー減税に当てはめるためかと思うと、本当になにやってんだよ、国交省と言いたくなる。とんちんかんな政策のせいで、クルマ作りの基本軸がぶれぶれですよ。

ウィンカーやシフトレバーのさわり心地や、背中の腰のあたりをしっとりと支えてくれるシート、トランクドアの開閉音など、とっても女性好み。これはこれですごくうれしいのに、振動がなあ。振動やこもり音を気にしない人には、どうでもいいのかもしれないけれど、女性はやっぱり気になると思いますよ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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