北越急行と佐川急便、旅客列車を使った荷物輸送を実施へ…来年4月以降

鉄道 企業動向
合意書を締結した荒木社長と渡邊社長。両社のキャラクター「はこぶくん」と「ほっくん」も出席した。
合意書を締結した荒木社長と渡邊社長。両社のキャラクター「はこぶくん」と「ほっくん」も出席した。 全 4 枚 拡大写真

六日町(新潟県南魚沼市)~犀潟(上越市)間59.5kmのほくほく線を運営する新潟県の第三セクター・北越急行と宅配便大手の佐川急便は、ほくほく線の旅客列車で宅配便の荷物を運ぶ「貨客混載事業」に取り組むことを決めた。両社は6月7日、新潟県庁で合意書を締結。2017年4月以降の実施を目指す。

発表によると、貨客混載事業は佐川急便の六日町営業所~上越営業所間で実施。六日町営業所~六日町駅とうらがわら駅~上越営業所をトラックで運び、六日町~うらがわら間はほくほく線の最終列車に載せ替えて輸送する。

最終列車の現在の運転時刻は、六日町22時48分発~うらがわら23時26分着と、うらがわら23時03分発~六日町23時45分着。ほくほく線で運用されているHK100形電車は1両につき車椅子スペースが1カ所設けられており、2両編成の最終列車は車椅子スペースが計2カ所になる。このうち1カ所を荷物の積載スペースとして使用。荷崩れや盗難を防止するため、専用のカゴに荷物を入れて輸送する。

専用カゴは佐川急便が製作中で、大きさは幅65cm・奥行93.2cm・高さ165cm。北越急行もHK100形の車椅子スペースに専用カゴを固定する器具を設置する。今秋頃から輸送試験を実施し、2017年4月以降の本格実施を目指す。

北越急行はこれまで、上越新幹線と北陸地区をほくほく線経由で結ぶ特急列車の通過収入に支えられて黒字経営を維持してきたが、2015年3月の北陸新幹線開業に伴い特急列車が廃止され、利用者と収入が大幅に減少した。同社の渡邊正幸社長は記者会見で「厳しい経営環境にさらされており、鉄道の輸送余力を少しでも活用できないか検討した。貨客混載輸送を行うことで収益が望めるのではないかと思っている」などと話した。

一方、佐川急便の荒木秀夫社長は「高い品質と安定した輸送を維持するためには、新たな輸送モードの開拓が必要。貨客混載輸送でトラックドライバー不足の解消や、モーダルシフトによる二酸化炭素(CO2)削減効果が期待できる」などと話した。

《草町義和》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ『CR-V』に初のオフロード仕様「トレイルスポーツ」登場
  2. 30年で25台のスバル車を購入、26台目に新型『フォレスター』を選んだ英国スバリストの愛
  3. FJクルーザー が復活へ…トヨタ『ランドクルーザーFJ』最終デザインはこれだ!
  4. 「鳳凰」モチーフも、中国の伝統文化とり入れた全長5.3mの高級SUV、BYDが発表
  5. 伝説のバイク漫画『バリバリ伝説』ZIPPOライター発売、世界限定150個
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. AI家電を車内に搭載!? 日本導入予定の新型EV『PV5』が大胆なコンセプトカーに
  2. “走る巨大バッテリー”の実力! BEV+家電は悪天候でも快適に遊べる組み合わせだった
  3. 住友ゴム、タイヤ製造に水素活用…年間1000トンのCO2削減へ
  4. 【学生向け】人とくるまのテクノロジー展 2025 学生向けブース訪問ツアーを開催…トヨタ、ホンダ、矢崎総業、マーレのブースを訪問
  5. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
ランキングをもっと見る