法令順守強化、技術担当監査役や内部通報制度の充実...スズキ燃費不正の再発防止で

自動車 ビジネス 企業動向
燃費データ不正について、報酬減額と辞任を伴う責任を明らかにした(8日・国交省)
燃費データ不正について、報酬減額と辞任を伴う責任を明らかにした(8日・国交省) 全 2 枚 拡大写真

スズキが燃費データ不正問題で8日に国土交通省に行った追加報告。役員らの処分とともに、もう1つの柱となったのが再発防止だった。報告ににじんでいるのが、法令順守が重視されていれば、不正は防ぐことができたという反省だ。

追加報告の中で、同社が再発防止策で最重要と位置付けたのは「コンプライアンス(法令順守)研修、法令知識にかかる研修など技術者教育の充実」だった。これまでも技術部門の役職者や新入社員には、法令順守の研修は実施していたが、この7月からは、新たに「コンプライアンスと内部通報制度」に関する教育を追加して実施する。技術部門では、着任時と定例の2つの法令順守教育が設けられる。さらに、各技術部門ごとに必要な研修を細かく規定し、関連する部門担当者の必ず受講する仕組みに変える。

内部通報制度に光を当てることことでも、組織の自浄作用を高めようとしている。報告書には「その存在が目立たず、周知するための取組も十分ではなかったことから、必ずしも有効に利用されておりませんでした」と、記した。社内ホームページに通報窓口をわかりやすく掲載。社内ではなく外部の法律事務所に相談窓口を設定し、通報を促進することにした。通報の内容は法令や会社規則・行動指針の違反に絞り込み、通報行為を困りごと相談ではなく、「危機管理の手段であることを明確にする」ことで、通報のハードルを下げている。

役員にも制度改革を施した。監査役には、技術担当を加える。6月の株主総会には、技術業務の豊富な経験者と技術分野の学識経験者の2人が候補として挙げられている。監査部も人員を増員して、経理中心から技術部門への監査ができるように体制を変える。

新たな監査部と監査役は連携して、責任・権限が明確になった業務マニュアルが整備されたかや、国土交通省に提出する認証資料の抜き取り確認、技術者研修の実施状況などについて監査を実施する。

《中島みなみ》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 世界最高級ピックアップトラック誕生!? トヨタ『センチュリーピックアップ』の可能性
  3. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  4. 日産 リーフ 新型を発表、第3世代は航続600km超のクロスオーバーEV
  5. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る