孤高のカーオーディオブランド「BEWITH」、2016年最新モデルを徹底解析

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BEWITH「Confidence lll」シリーズ
BEWITH「Confidence lll」シリーズ 全 11 枚 拡大写真

国産プレミアム・カーオーディオブランド『BEWITH』。その製品開発哲学を分析した先週の記事に引き続き今週は、同社の哲学から生み出された珠玉の製品群にそれぞれにスポットを当てていく。2016年以降に発売開始された各モデルの利点と特長を、端的に解説する。

■Speaker/「Confidence lll」シリーズ

2016年2月に発売された、最新フラッグシップスピーカー、「Confidence lll」シリーズは、13cmセパレート2wayシステム「Confidence lll」、5cmワイドレンジトゥイータ−「C-50lll」、13cmミッドウーファー「C-130lll」、18cmサブウーファー「C-180lll」、の4製品で構成されている。

『BEWITH』ブランド第一号製品として「Confidence」の初代モデルが登場したのは、2002年。その後2011年に第二世代モデル「Confidence ll」へと進化し、そして当機のリリースと相成ったのだが、それぞれが常に変わらず、世界初・世界唯一のオールP.P.C.偏芯コーン方式が採用されたスペシャル・スピーカーシリーズとして輝きを放ち続けてきた。

初登場時より、「Confidence」が目指してきたものは不変だ。“高忠実再生”、すなわち「全帯域での音色統一」「指向性制御」「フラット&スムーズな周波数特性」、これらを高度に実現することだけを愚直に追求してきた。「Confidence」はまさしく、信念のスピーカーシリーズなのである。

なお、「Confidence lll」シリーズは、第二世代のスペシャルチューンドモデル「Confidence ll Sunrise」から、振動板素材の改良、ナノカーボン蒸着による「サンライズレッド・メタルマット」仕上げセンターキャップの採用、着磁システムの改良によるマグネットのさらなる強化(C-130lll、C-180lll)、ボイスコイルを中心とした制動力強化(C-130lll、C-180lll)等が施されている。結果、一層の艶やかで響きの美しい高音域、正確かつ強靭な駆動力・制動力から生み出される中低音域の力強さと豊かな表現力が達成されている。

試聴室やデモボードで聴く音と、実際にクルマに付けて聴く音に差が出てしまうのはカースピーカーの宿命だ。しかし、オールP.P.C.偏芯コーン方式が採用された「Confidence」は、車載状態で実力をフルに発揮できる唯一、「本番に強い」スピーカーなのである。

■Speaker/「Accurate lll」シリーズ

2015年12月に発表された、高性能スタンダードスピーカー、「Accurate lll」シリーズ。最新のフラッグシップモデル「Confidence lll」シリーズの技術的特徴とサウンドポリシーを受け継ぎながらも、リーズナブルな価格が実現されている、魅力に満ちたシリーズだ。

13cmセパレート2wayシステム「Accurate lll」、5cmトゥイータ−「A-50lll」、13cmミッドウーファー「A-130lll」、の3ラインナップで構成される。

「Confidence lll」シリーズと同等のパールホワイトコーティングを施した第三世代のマイカ配合ポリマー振動板が、Accurate系列として初めて採用され、エッジやダンパーなどの駆動系パーツも「Confidence」基準にグレードアップ。これらにより、音の情報量が格段に向上され、繊細にしてダイナミックなサウンドが実現されている。また、フレーム部にも「Confidence」系列と同等のパールホワイト塗装が施される等、外観にも贅が尽くされている。前作「Accurate ll」を大きく凌駕するだけでなく、名機「Confidence ll」にも勝るとも劣らぬサウンドを手に入れた。

■Speaker Grille & Enclosure/「G-50MG/G-130MG」

従来のアルミダイキャスト製から、音響専用マグネシウム合金「MAGNEOLA」を採用した次世代の専用グリル&エンクロージャー「G-50MG」「G-130MG」。

「MAGNEOLA」の採用により、対振動吸収性能の向上による更なる高音質化、そして大幅な軽量化(G-50:G-50MG/231g:101g, G-130:G-130MG/185g:123g)を実現した。また「G-130MG」はプロテクトバーを2本から4本に変更することで、国際的オーディオ競技団体「EMMA」の基準にも準拠した。

「Confidence lll」と「Accurate lll」の性能を最大限に引き出すグリル&エンクロージャーは、パールホワイト(W)とジェットブラック(B)の2色から選べる。

■PROCESSOR/「STATE A6R」シリーズ

数ある『BEWITH』製品の中で、もっとも新しい製品の1つである、この「STATE A6R」シリーズ。

ベース機である「STATE A6R」は、マルチプロセシングDACシステム
「STATE A6」をベースに開発されたものであり、拡張ファームウェアを搭載し、複数台を結合して理想のシステムが組める“発展型デジタルプロセッサー”であることを最大の特長としている。

シリーズは、以下の3機種で構成される。

○「STATE A6R」(標準拡張ファームウェア搭載)
※単独使用から最大10台まで連携使用できる3Way・6chステレオ仕様機

○「STATE A6R DUAL」(LR拡張ファームウェア搭載)
※左右完全独立・デュアルモノラル2台使用に特化した3Way・3chモノラル構成専用機

○「STATE A6R MONO」(MONO-SIX拡張ファームウェア搭載)
※チャンネル完全独立・モノブロック6台使用に特化した1Way・1chモノラル構成専用機

回路的な注目点はまず、アナログオーディオ回路の各chに1基ずつ(計6基)搭載された、新日本無線(株)との共同開発による『BEWITH』オリジナルオペアンプ「BS04型」。これにより、音の純度がさらに磨き上げられている。また、アナログオーディオ回路を中心に、高分子フィルムコンデンサー等の専用パーツが投入されるなど、特別な音質チューニングが各所に施されていることも特筆点だ。これにより、さらなる高分解能とクリアネスも実現されている。

なお、ベース機「STATE A6R」を買い足して台数を増やしていくとき、その機能はかけ算で積み上がる。例えば、イコライザー。「STATE A6R」1台では、1chごとが15バンド構成であり、いわば、“左右独立45バンド”イコライザーであるのだが、もう1台組み合わせることでこれが、1chごとが30バンドの“左右独立90バンド”イコライザーとなる。

もしも6台を組み合わせ、3Wayシステムを“1Way・1chモノラル構成”で運用すれば、機能が6倍に跳ね上がる。同じくイコライザーのバンド数でみると、1chごとが90バンド、つまりは“左右独立270バンド”という状況にまで拡張する。

『BEWITH』の凄さを象徴する、常識を遙かに超えたプロセッサー、「STATE A6R」シリーズ。ミラー型オーディオプレーヤー「STATE MM-1D」と組むことで、最強のデジタルソースユニットを完成させることが可能となる。

■AMPLIFIER/「P-1R」

圧倒的な表現力と駆動力を誇る、フラッグシップ・パワーアンプ「P-1R」。音響専用マグネシウム合金「MAGNEOLA」ボディが採用され、わずか645gという超軽量化も達成されている。独自の低発熱・低消費電力技術により放熱フィンが排された、スタイリッシュな外観デザインも印象的だ。

大容量電解コンデンサーの投入により低域のスピード感と力感を従来モデルより飛躍的に高めた新設計電源部を採用し、伝統のAir Circuitコンセプトに基づく音質最優先のディスクリート構成パワーアンプ回路となっている。また、新日本無線(株)と共同開発した音響専用オペアンプIC「BSZ1」型や、大容量音響専用SiC(シリコンカーバイド)ダイオード「MUSES7001」型などの最先端デバイスが採用されていることも、当機ならではの注目点だ。

なお『BEWITH』は、パワーアンプにおいて早くから、“モノブロック”にこだわってきたブランドでもある。モノラルアンプはch間の干渉が原理的に発生せず、音質面、特に音像定位やステレオイメージの再現性などで本質的に優れ、アナログ増幅方式のアンプにおいては究極的な形態とされている。

ただし、それにこだわり続けるのは簡単ではない。理想的であることがわかりきっていても、他社がこれを追いかけてこない理由はそこにある。コストがかかり、売れ行きの予測もしづらい。しかし『BEWITH』は、モノラルパワーアンプしか擁していない。ただ、“音に良いことだけを行う”姿勢が、ここでも突き通されているのである。

■AMPLIFIER/「P-100R」

続いては、「P-1R」と同時に、2016年2月に発表され、4月から発売開始されたパワーアンプ、「P-100R」をご紹介しよう。

当機は、既発売の「P-100」からの改良型新製品であり、「1chにアンプ1台」、「スピーカー1本にアンプ1台」というこだわりのシステムプランを実現するための、わずか497gの小型高性能モノラルパワーアンプである。

音響専用マグネシウム合金「MAGNEOLA」ボディやAir Circuitコンセプト、低コアレス磁芯+高純度無酸素銅巻線の組み合わせによるカスタムメイド電源トランスなどなどの、音質最優先の設計思想を前モデルから確実に踏襲。さらには、フラッグシップモデル「P-1R」と同等の『BEWITH』オリジナル音響専用オペアンプ「BSZ1」型も新たに投入され、価値あるスタンダードパワーアンプとして見事に完成されている。

なお、外装仕上げには「P-1R」と同じく、鮮やかで深みのある光沢が特徴の、サンライズレッド・クリアーグロス塗装仕上げを新採用。

パッシブクロスオーバーネットワークを使用しての2ウェイシステムから、デジタルアクティブクロスオーバーを活用して組み上げるフルマルチアンプシステムまで、あらゆるスケールのシステムにも完全対応する当「P-100R」。使いやすさとコストパフォーマンスを重んじるなら、当機には大いに注目すべきだ。

■REGULATOR/「V-50R」

「カーオーディオの音を源流から改善するクリーンな安定化電源」、それがこのオーディオレギュレーター「V-50R」だ。

車両側に起因する電圧変動やノイズと無縁のクリーンで安定した直流電源を生成し、パワーアンプやプロセッサーに供給する役目を担う。最大供給電力量は600Wクラス。本機1台で6台までのパワーアンプ「P-1R」への電源供給に対応する。ハイスピードスイッチング&カレントセンシング回路と新世代SiC「MUSES7001」も搭載。さらには音響専用マグネシウム合金「MAGNEOLA」ボディが格別のS/N感をもたらし、パワーアンプやプロセッサー本来の音の資質を最大限に引き出せる。

かつて当分野は、ともすればオカルト的なイメージで捉えられがちだったが、『BEWITH』のオーディオレギュレーターは、その品質と確かな音質改善効果で、着実に評価を高めてきた。現在では、安定化電源の必要性を見直させるリファレンス機として、広く愛用されている。

『BEWITH』 音への情熱と比類なきテクノロジーが新しいカーオーディオの未来を拓く。 Part.2 2016年に登場した最新モデルの、利点と特徴を解析する

《太田祥三》

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