6月18日と19日に行われた石和温泉郷クラシックカーフェスティバルは2輪車も参加していて、面白みが倍加するイベント。今回も目立ったのは『ハンターカブ』などホンダの小排気量バイクだった。
その存在感抜群だったハンターカブは、1962年式の『C105T トレイル55』。名車『スーパーカブC100』をベースに坂道や荒れ地の走破性を高めたもので、アメリカからの逆輸入車だ。OHVの54cc4ストロークエンジン搭載。
このモデルは、山や森を駆け抜けるための装備やオプションが盛りだくさん。ガソリンタンクは1.5ガロン(約5.7リットル)に大型化、シートの高さはアメリカ人向けに大きくなっている。スプロケットは大小2枚あり、路面状況によってチェーンを組み合わせる仕組み。
フットブレーキ以外にも左ハンドルレバーでも操作できるリヤブレーキや、アフターファイヤーが出て枯れ草に燃え移らないよう排気を横側のスリットから出す”アリゲーター・マフラー”など、よく見ると感心させられる装備、機構が多い。オプションのハンティング用ライフルラックも珍しい。
このほか、最初のSOHCエンジン搭載モデル『スーパーカブC65』(1965)や『モトコンポ』の姉妹車『スカッシュ』(1981)、『モンキーCZ100』(1964)、『ローラースルーGOGO』(1974)など、おっと思わせる小さな乗り物がが並んでいた。
異色だったのは、2台の『アコーレーサー』(1970年代中頃?)。かつて上尾工業株式会社で製造されていた子供用チェーン駆動4輪自転車で、ホンダのディーラーや玩具(がんぐ)店などで販売されていた。残存数は不明だが、かなりレアな存在と思われる。